長引くうつへの効果的な対処

こころの不調

解決のために、まず何をしますか?

 1.「悩みの客観化」をします

当所ではまず、お話を丁寧に伺い、その悪循環を明確にして、どのように「イノシシが巨大化」しているのか分析します。

また,問題が大きくなったように思えると、あなた自身が小さくなったように思えます(セルフイメージの矮小化)。そのときは,あたかもそれが真実のように思いますが,実際は下の図のように,ただの「錯覚」なのです。

知覚のコントラスト
(丸に囲まれたイラストがあなたと思ってください。物理的には全く同じ大きさですが、どう見えるでしょうか? 尋ねてみますと、周囲が大きいと小さく、周囲が小さいと大きく見える方がほとんどです。これは人のものの見え方のメカニズムによるもので、個人差はほとんどありません。 ※周囲と同じ大きさの場合、少しだけ、大きく見えます。中心の見え方は、周囲の大きさに影響される「錯覚」によって大きくも小さくもなるのです。)

錯覚だと気づくには,我々がものを見るメカニズムを理解する必要がありますが,それと同じように,あなたの相対的に小さくなったセルフイメージを元のサイズに戻すために,悩みが続くメカニズムを理解するための知識をもつことが大切です。

そして、その知識はイノシシを正しい大きさでとらえる「悩みの客観視」に役立ちます。

すなわち,問題を正しく(客観的に)とらえて見える化し,問題自体を合理的に査定しなおすことで,過剰に膨らんだ悩みを「適切なサイズ」にもどすことができるのです。

このような「悩みの客観視」によって今まで「無理」と思っていた問題(巨大なイノシシ)は、太刀打ちできるサイズに収まり,あなたのサイズももとに戻り,解決の見込みが出てきます。

「何に困っていますか?」
「今までどうやってきましたか?」
「これからどうしたいのですか?」
「そのために何ができますか?」

…「客観視」することで明確に整理でき、悩み方が変わります。

「そうだったのか!」
「そうすればいいのか!」
「それだけのことなの?」

「目からウロコ」のごとく、問題の大きさが「対処可能」レベルになり、「今」やるべきことが明確になります。

解決の本質

『神様、私に、変えることができないものを受け入れる平穏を、変えることができるものを変える勇気を、そしてその違いを知るための英知を与えてください。 ― ラインホルド・ニーバー ―』

大切なのは、「解決できることとできない事を区別し、出来ないことは受け入れ、できることを変える勇気を持つこと、そしてその両者を区別できる「知恵」を持つこと。」なのでしょう。

 2.「自己肯定的な行動」を育みます

基本的に、「悩み」のもとになるものを消したり、見えないようにする、ということにはこだわりません。むしろ、それがある状態でいながら、「喜び」や「楽しみ」「満足感」「充実感」を積極的に求める態度をもつことを重要視します。

バランス思考

完全にポジティブな状態というのはあり得ないのではないでしょうか。といって、全く否定できるものでもないはずです。その両者のバランスをとることを目指します。一病息災とも言いますが、少し気になることがある方が、むしろ健康を維持するために役立つとも言えますよね。

つまり,ポジティブとネガティブは両立できるということです。むしろ、ネガティブを消そうとする試みは、徒労に終わるばかりか、問題の堂々巡りとなることもあります。ネガティブも大切な側面と受け入れつつ,ポジティブをどう増やしていくか、そこを考える方が、より面接的と言えるかもしれません。

なぜなら、ネガティブをなくすためにやる行為は、いくらやっても達成感も得られず、自信もつきません。不安に駆られて、ネガティブを減らすように行う行為は、実は衝動的な一時しのぎになっていることが多いのです。したがって、その行為が終われば、再びネガティブが戻って来て、再び、あなたを苦しめるのです。

誰でも、自分で能動的に行動をコントロールする意識をあえて持つ,という態度によって,変化の可能性が生まれます。それは、ネガティブを避けるという目的ではなく、自分の「価値」に基づいた前向きな行為であることが大切です。

不安バケツと喜びバケツ

不安バケツがいっぱいだと、何とかしたくなります。

不安バケツと楽しみバケツ

楽しみごとをすることで不安バケツが空になると、楽になりますが、

楽しみごとが終わると、不安はまた帰ってきます。

不安はあっても、楽しみごとを「満たす」と考えてみます。

「自己肯定的」とは「自信満々」であったり「自己否定をしない」ということではありません。ある意味,究極の自己肯定とは,失敗する自分を認め,失敗してもよい,失敗を許容できる,という柔軟な姿勢ではないでしょうか。

ソクラテスの言う,「無知の知」のごとく,「自分は何も知らないことを知っている」のように,「私は失敗して当たり前だということを知っている。」ことを受け入れられることは,大きい余裕につながると考えています。

こころの不調
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心理カウンセリングオフィス 広島心理教育研究所