ファースト・カウンセリングの進め方
これまでの経緯についてうかがいます
- カウンセリングでは一般に、初回の面接時に、カウンセリングを受けられる理由となる訴え(主訴)をお聴きし、それに関連してのこれまでの事情や経緯を詳しく伺っていきます。カウンセラーがクライエントさんのことを理解して、その後の面接を効果的に進めていくために必要なプロセスです。
- 第一回目のカウンセリングは受理面接と言われることもありますが、情報収集とクライエントさんの理解、クライエントさんの問題の理解をしっかり行い、適切な対応をするための重要なステップです。まず、クライエントさんには、思いのたけを話したいように話していただきます。カウンセラーはそれをただ「傾聴」します。ひとしきり話していただき、ひと段落つきますと、クライエントさんは大体そこで、カウンセラーの何らかの反応(コメント)を求められますので、少しそこまでのお話の内容を、例えば、
- 誰の問題なのか?
- 何の【どんな】問題なのか?
- なぜ、今その問題なのか?
といった観点からまとめ、それから、
- これからどうなりたいか?(長期的な目標)
- そのためにはどうすればいいか(どうしたいと思っているか)?(短期的な目標)
- 今までどんなことに取り組んできたか?そしてその結果は?
といったことを順次お尋ねしていきます。
これらは単なる問診・情報収集ではなく、クライエントさんの問題の理解、そして、達すべき目標を共通理解として持つことが目標ですので、カウンセラーとクライエントさん双方にとっての「問題の整理」として行います。
この後、時間にもよりますが、整理された問題に対して、どのような解決が目指せるのか、そしてそのためにはどのような方法があるのか、といったことをご説明し、簡単な心理学的処方をすることもあります。
※ 問題の「範囲」や「深さ」といった条件によっては、問題の整理をファースト・カウンセリングだけで十分に行うことは難しく、ファーストでの問題の整理や心理学的処方は、あくまでその段階でのものであるため、それ以降のカウンセリングのお話なども加味して、さらに具体化し、正確性を高めることが必要な場合もあります。
最後に、カウンセリング継続時の条件(料金や頻度、回数など)やプロセス(継続する際の取り組み内容)についてもご説明をいたします。
自由にお話しください
- 過去のことについてもお尋ねしますが、言いにくいことについて無理にお答えにならなくても大丈夫です。少しづつ、お話になれる範囲でお話しください。
- お話になることをあらかじめまとめておいていただくのもよい方法です。
- ただ、まとめようと思うとうまくまとまらない事もあるかもしれません。そんなときは、お気になさらず、そのままお越しください。
- お話には脈絡がなくても、思いついたところからお話しくだされば結構です。
- カウンセラーはお話を伺ってそれをまとめていくプロです。お話になる中で、少しづつストーリーを整理していきましょう。
- 始めは、カウンセラーはこのストーリーの整理をお手伝いします。
- ストーリーがまとまったら、そのストーリーに沿って、問題についての仮説を立てます(アセスメント)。
- そして、その仮説に沿って、目標を探し、そして、その目標を達成するための方法について検討・ご説明します。
- そして、ご継続になるかどうかは、その後、ご自由にご判断してください。