メンタルを健康に保つ成功体験の見つけ方

認知行動療法

心を元気にする円(まる)

「まる」とは何でしょうか? 

そのままですが,「〇」です。

まるといったら,正解・成功・ほめられ体験・承認・肯定・・・などなど,要するに◎は成功体験なので,×よりも当然〇の方が気分いいですよね? 

このように,心にとって「まる」はとてもいいものです。だから,いつも自分に「まる」をつけることは,それだけで心を守って元気になることになります。

これはいわゆる「加点法」の考え方ですね。

逆に,減点法だったら,いつも自分に×をつけていることになるので,どうしても気持ちは落ち込みがちになり沈んでいくでしょう。

それは見える化するとなお顕著になるでしょう。

例えば,カレンダーに一日全体を通して,いい日なら〇をつけてみるとしますね。それをひと月やってみると,◎が増えるほどに気分が上がり,元気が出ることに気づくかもしれません。

ちなみに,◎がない日は悪い日だったとしてもわざわざ×はつけません。ここ大事です。

「✖」で表現したときと比べてみてください。

✖が付いていないところは「〇」だとしても,イメージが全然違います。

×と向き合うことが必要なこともありますが,×はいちいち意識しなくても心に残りやすいものです。

したがって,ここではあえて「よかった日々」すなわち「成功を体験した日」という印象を記録として残して,忘れないようにするということの大事さを強調したいと思います。

よかったことに焦点を当てること,すなわち「成功体験」の記憶は,気分だけでなくやる気や実際の行動にも影響するとされています。

どんな小さなことでも,成功体験を積み重ねることが,次の成功のカギになるのです。

ただ,なかなか◎が見つからず,かえって落ち込んでしまうという方もいるかもしれませんね。それでも,まずはそれを探すという気持ちが大事です。

そして,円を探すのにもコツがあります。

それは,◎と評価できるハードルを下げることです。

言い方を変えると,気持ちが落ち込みがちな時は,高いハードルを設定しすぎていて,なかなか◎がつけられない状態になっているのかもしれません。

もしいつものことがいつも通りに出来たとしたら,それも◎です。

そのいつものことも,仕事だけでなく,掃除とか,洗濯とは,節約とか,運動とか,ペットの世話とか,さらに言えば,風呂に入るとか歯を磨くとか,寝るとか起きるとか,果ては,見つからなかったけど「それについて考えることはできた」,でもいいのです。とにかく,最も小さいできたこと,やれたことでいいのです。

もしかして,「その程度のことじゃあ,◎と評価できないじゃあないか!」と考えますか? 

でも,少なくとも「何もしていない」わけではないですよね?

何も,ものすごくグレートなことができなければならないわけではないのです。

どうしても丸を付けることに抵抗があるなら,三角でもいいのですが,その場合は,◎を,一重〇,◎,花丸と,三段階ぐらいにランク分けして,△相当のことを一重〇にしたらどうでしょうか?

少し無理やりに感じるかもしれませんが…自分への評価を甘くするということではありません。

出来たこと,やれたことをある意味,正当に評価するだけです。

大きいか小さいかということは問題ではないのです。

不当に辛い評価にすることは誰にでも起こりうる「こころのクセ」と考えて,まずは自分に〇をつけることを許していただきたいと思います。

これは,自分だけでなく,人に対しても同じです。人に対しても「まる」をつけていくことで,人間関係をすこし楽にすることが期待できるでしょう。

なぜなら,「まる」と評価している人であれば,必然的にその人に対する「不安」や「恐れ」は減るでしょう。人をポジティブに評価することは,対人緊張を緩和する役にも立つのです。

つい,「×」をつけてしまう,というのは「こころのクセ」と考えて,ぜひ,少し長めのスパンで実践してみていただければと思います。

ご自身の力だけでは難しいとお感じでしたら,カウンセリングのご利用をご検討ください。広島心理教育研究所Cocoikuカウンセリングルームでは自分の心のクセを見つけて変容を促すためのカウンセリングをご提供しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。