自己肯定感を高めて長引くゆううつ感や不安感を克服するには

ゆううつ感や不安感を克服するには、まずはそのメカニズムを理解することが必要です。そして、ご自分にもそのメカニズムが働いていることを自覚して、不適切なメカニズムを切り替えていく取り組みを行います。
ゆううつや高い不安に陥っている方には大体、同じようなパターンがあります。その人物像をよくある2パターンでお示ししましょう。
1.性格がネガティブ、自信がない、自分を好きになれない。
- 長期にわたる自己否定的思考パターン、不安・罪悪感が強い。
- 物事を悲観的に考えるメランコリー(ゆううつ)気質。
- 生真面目で引っ込み思案で人間関係には受動的。
- 対人関係上のスキルは人並みにあるが、基本的に自己主張は苦手である。
- ストレスが強い環境になじめず、不安や罪悪感(周りに迷惑をかけている)が強まる。
- 自分の性格はそれなりに理解しており、それを克服しようという努力をしている(しようとしている。
- 計画したことが思うようにできないことでますます否定的に考えてしまう。
2.不安・孤独感が強く、気分がふさぎがちになる。
- 先のことを考えすぎてしまい、たとえ楽しい事をしていても気がはれることがない。
- 人からどう見られるか、ということに過敏。
- 自己主張をしないで自分のせいにして自分が悪いと考える
- 気分が落ち込んでも無理して元気なふりをしている。
- 人から認めてもらえるかどうか、ということが自分を評価する基準になっている。
- 常に人と接することに不安を感じている。

あなたもどちらかに当てはまるかもしれません。両方に当てはまることもあります。ちなみに私は両方にあてはまりました^^;
いずれにしても、これらのパターンによって、「セルフ・イメージ」が低く、どこか自分を下に見てしまう、あらゆることを否定的に感じてしまう、といった思考のクセが生じることが問題になるのです。
自信を失っていませんか?
ゆううつや不安の強さには、多分に、その人の「自己認識(セルフ・イメージ)」が反映されます。セルフ・イメージが低いと、人間関係やあらゆることに自信が持てず、どこか臆病になっている自分がいます。
職場で仕事をすると、逃げられない環境でそれを押し殺しながら働くことになるので、当然、ストレスがたまります。学生時代にはなんとかなったけど、仕事を始めるとうまくいかなくなることがよくありますが、それにはこんな理由もあるのです。
そして、結婚して家庭を持つとなると、「子育て」にそれが現れることもよくあります。子育てもきわめて密接な関係の中で行われる人間関係ですが、セルフ・イメージの低さから子育てに自信が持てず、育児不安やストレスを抱えてしまい、それを子どもに体罰(虐待)や無視(ネグレクト)という形で向けるということも最悪起こりえます。
仕事にしても子育てにしても、人間関係のストレスで燃え尽きそうになっているときは、すでに「うつ病」に近い状態ともいえます。ただ、それは、セルフ・イメージを高めて、自分自身への自信を付けることで、回復できる道があります。
知りたくないですか?「ゆううつ」が長引く理由とは。
治りにくいゆううつや不安は「トラウマ」由来

カウンセラーをしていてふと気づくことがありました。
人間関係や接客がもともと苦手、人嫌い、なのに、なぜか高度な人間関係力が求められる仕事をあえて選んでいる人がたくさんいる。
そして、そうした方々が人間関係に敗れ、本来の力を発揮できないまま燃え尽きて退職を余儀なくされたり、うつを発症したりして苦しんでいる現状がある。
そして、自分もそうだった!
うつ病の方にはもともと自己否定的で、人間関係に疲れやすい性格的特徴があります。
それは、生まれつきと生育環境の相互作用によってもたらされた思考と行動のパターンともいえます。
それは決しておかしなことではありません。人は誰しも、遺伝的特徴と生育歴によって性格的な特徴が決まります。ただ、そのプロセスに何らかの「トラウマ体験」が強く影響している場合、「自己肯定感が低い」という特徴が強調されて、現在に何らかの問題が現れることがあるということなのです。
自己肯定感が低いと、あえて自分を追い込むような行動をとりがちです。それは、自分に足りないものを埋め合わせるために無意識的に行って克服しようとしているのですが、結果として自分を大切にできず、自己犠牲を強いてしまうことが多くなります。
こうした方々は、基本的に「真面目で几帳面」、仕事場ではとても重用される方々ばかりです。逆にそれで、次々と重荷を背負ってしまうことになってしまうパターンが多いです。
だから、表面上はうまくいっているようでも、こころのなかは葛藤でいっぱい、ストレスを抱え、ちょっとしたつまづきでも、こころが折れてしまいやすくなります。
一例を示しますと、仕事がたくさんあることが問題なのではなく、仕事が多すぎるから減らしてほしい、または調整してほしい、ということを上司や周りに言えないことが問題なのです。

これは、今現在の特殊な環境的問題もありますが、多くはこころの中の問題(自己否定的な思考)に起因することが多いです。
そしてそれらの問題によって行動の水準が下がるため、さらに自己評価がさがり、自己否定的な思考パターンが強まるという悪循環にはまります。
つまり、「自己否定」によって「人からどう見られているか」または「人からの評価」が気になって、結果として人間関係において過度に緊張することが多くなり、「関係」がとりにくくなるのです。
これらがつみ重なると、「うつ病」や「不安症」の原因になったり、「ゆううつ」が長期化しやすくなります。
ゆううつを克服するには

- この続く落ち込みを何とかしたい
- ゆううつを改善したい。
- 苦手な人間関係を克服したい
- 仕事や育児の不安を減らしたい…
もう少し楽に、仕事・子育てができないものか…でも性格は変わらないだろうし、過去も変えられない。
結局どうしようもないのではないか…どうにかして克服できるものだろうか…
そんな風にお考えではありませんか?
カウンセリングと認知行動療法でお手伝いいたします。
ゆううつや不安をコントロールして,楽に仕事ができるようになれたら?
あなたの人生が今,停滞しているのは,あなたの思い込みや自己否定という想像によるものかもしれません。
このままがんばり続ければ何とかなる,と思っていませんか?
でも…一人でのがんばりには限界があります。
当所の認知行動療法によるカウンセリングは,マインドフルな態度とセルフ・コンパッションを育むことで,あなたが自己肯定感を高めてうつを遠ざけ,不安を受け入れながらあなた自身が目指す方向にすすめるようにお手伝いいたします。
認知行動療法でつくる「喜び」の好循環

気分をコントロールし、人間関係を良好にするためには、まずは自分自身を肯定できることが大切とされています。
自己肯定感から結果として仕事が楽になり、生産性アップや周囲からの評価のアップが見込め、それがさらに自己肯定すなわち「自信」につながるという好循環が生まれたらしめたものです。
うつや不安、そして人間関係でお悩みの方へ、ネガティブ思考のうえ苦手だった人間関係を克服して臨床心理士・公認心理師となったカウンセラーが、自己肯定感を高め、仕事や生活、人付き合いをラクにするために、あなたにとって最適な方法を一緒に考えます。
バランス思考で感情の調節
解決のカギは「考え方」とそれと連動する「感情」と「行動」のバイアス(偏り)をバランスのとれた状態にするための方法を知っているか知らないか、にあります。
当所ではそれをお客様にご自身に理解していただくために,簡単なレクチャーをするとともに,体験的エクササイズをご提供しています。
当所で「ゆううつと不安の克服」が目指せる理由

「こころの科学」である認知行動療法を、カウンセリングによってあなたが実践しやすい形にカスタマイズしています。
一般的な認知行動療法(第一・二世代の認知行動療法)による方法
- 楽な人間関係のヒント:人付き合いは「自分付きあい」~自分をいたわり,自己肯定感を高める方法
- ストレスとの付き合い方:ストレスを人生のスパイスにする方法
- 心身の不調の対処法:休養と活動のバランスをとって充電する方法
- 「楽に考える」方法:不快な気分をもたらす「思考の歪み」を調える方法
- 目標の作り方:「やりたいことをやれること」にする方法
- 感情をコントロールするには:悩みと距離をおいて不安と抑うつを克服する方法
楽な人間関係のヒント
人付き合いは「自分付きあい」~自分をいたわり,自己肯定感を高める方法
人間関係に悩みを持たれる方は生真面目で自己否定的な考え方や行動が多く、人とのコミュニケーションが苦手な方が多いのです。そうした方の多くは、実は「自分とコミュニケーション」が取れていないことが多いです。自分に対する否定的な「決めつけ」が人と接する時の不要な緊張感をもたらします。そこで、人に対する思い、自分に対する思い、相手の特徴・自分の特徴、そして、両者の関係性からくるコミュニケーション上のすれ違いを具体的に理解し、すれ違いを修正するために、自分とのコミュニケーションのとり方を含めた様々なワークに取り組みます。
「ゲシュタルトの祈り」「7・2・1の原理」「アサーティブネス」など気後れを解決するための人間関係を楽にするヒントを示しつつ、自己否定の元になるこころの理解、そして自己を肯定し、受け入れていくために、自分の内面と向き合う様々な方法に取り組みます。ソーシャル・スキル・トレーニングの方法を用いて具体的な対処法を行うこともあります。
ストレスとの付き合い方
ストレスを人生のスパイスにする方法
ストレスの原因、ストレスへの耐性、あなたのストレスへの弱点、そして具体的な改善点を様々な視点でお伝えします。
ストレスのメカニズム、ストレスを弱める方程式、リラクゼーション法、トラウマ的なストレスに効果的な方法など心理学を駆使した多くのストレス緩和法をお伝えいたします。
心身の不調への対処法
休養と活動のバランスをとって充電する方法
心身の不調には休養しながらも、今までの自分を振り返って生活を少しづつ変えるという前向きな活動も必要なので、無理なくその方法をお伝えします。
「自分のエネルギー残量計を作る」「自分の考え方や行動の特徴を知る」「エネルギーを残しながら生産的に行動する方法」「疲労を効率よく回復させるリラクゼーション法」などを認知行動療法を体系的に行うことで少しずつ身につけることができます。
「楽に考える」ヒント
不快な気分をもたらす「思考の歪み」を調える方法
思考(考え)と気分は密接なつながりがあり、不快な気分になるときにはそれをもたらす「認知」があります。たいていの場合それは「自己否定」や「自己や他者への偏った評価」すなわち「認知の歪み」であることが多く、この偏りのバランスをとることで、思考を調え、不快な気分を和らげることが目的になります。
「認知再構成法」と呼ばれる方法を主に用いて行います。自分の「認知の歪み」を理解して、その偏りのバランスを取るために『根拠と反証』探し、「最悪と最良のシナリオ分析」「メリット・デメリット分析」などにより自分の考えを考えてみたり、他者の視点から考えてみたり、カウンセラーと簡単なロールプレイを行ってみたりと、自分の考えを様々な視点から考えることを試みます。「考えの修正」とよく言われますが、「修正」ではなくて、ふだんの自分の考えに「気づく」ことが目標です。
目標の作り方
「やりたいことをやれること」にする方法
目標・目的をつくってそこに向かう力は「学習」によってつけることができます。意志の弱さをもたらす習慣を明確化して、目標達成への行動を持続させるための方法をお伝えします。
「行動マネジメント法」「上位目標を明らかにする」「目標達成を妨げるクセを見つけて対処する方法」など、行動をマネジメントする方法を学ぶことができます。
感情をコントロールするには
悩みと距離をおいて不安と抑うつを克服する方法
感情をコントロールするにはそれとつながる「思考」をコントロールすることが必要です。楽に考えるヒントを行うことで、それは同時に感情のコントロールになります。また、感情の変化は体の状態とも関連がありますので、心身相関の観点から、リラクゼーション法などを積極的に用い、同時に、思考を客観視して、そこから生じる気分と「距離を取る」方法をお伝えします。
認知再構成法、筋弛緩法や自律訓練法、呼吸法といったこころとからだの両面からのアプローチを行います。お客様のニーズに沿って、やりやすい所から順次、実施していきます。
認知行動療法を「困りごと」解決に用いる理由

心理学によって解き明かされている「こころの仕組み」を利用し、可能な限り客観的で合理的に解決を図ることが期待できるからです。
問題を長引かせる「堂々巡り(悪循環)」

ストレスが持続したり、高じて病に至るプロセスには、ストレスへの対処が非合理的になっていることがよく見られます。
そのつもりはなくても、ストレスを避けたり、無理に遠ざけようとしてしまい、それがストレスを「飼って」しまっていることがあります。
ある意味、ストレスは放っておくと大きく育ってしまう「生き物」のようなものです。
堂々巡り(悪循環)を解消する仕組み

一時的にはしんどくても、ストレスと向き合い、積極的で合理的な対処法を取ることで、むしろ速やかにストレスを遠ざけることができる可能性があります。それが、「ストレス」を「飼わない」ためのコツです。
このことはいろいろな状況に対していえることで、ストレスが多いjとお悩みの方は、もしかしたら、ストレスを飼うクセがあるのかもしれませんね。
こうした考えに従った方法で、抑うつ気分はかなり改善します。ただ、うつの軽快にはまだ至らない場合、「本質的な悩み」となるトラウマ(過去の不快な経験による思い込み)の問題が見え隠れしてきます。
ゆううつが長引く本質的な理由とは?

たいてい、何らかの「不快な過去経験(トラウマ)の記憶」による強い自己否定の問題があります。
お気づきですか?
うつの原因、うつの「維持要因」である「人間関係が苦手」「自己否定的な行動パターン」の本質は、「過去の不快な記憶(トラウマ)」に端を発するものだということを。
人付き合いや対人関係の際の「自己否定感」や「奥手なところ」は、大抵の場合、過去に経験した不快な体験がもとになっています。
そのトラウマが、今のあなたの性格的な特徴の一つである自己否定感や奥手なところに常に「栄養」を送っているのかもしれません。
その栄養を「断つ」ことができれば、徐々にトラウマ記憶は目立たなくなり、「性格」をマネジメントできる可能性につながります。
トラウマは、過去に実際に経験した過酷な体験であり、否定することはできないでしょう。ただ、あくまで、それは今においては「記憶の1ページ」ととらえることもできます。
そしてそれは,
それなのに,その記憶に支配され、振り廻され、「自己否定的に」動かされているとしたら…?
思い当たることがありませんか?
問題となる過去の記憶
- 小さい時の親子関係
- いじめ・ハラスメント
- 強く叱られた・脅かされた
- 印象に残る失敗体験
- 犯罪・災害被害
- その他
「他人の眼」または「自己否定(「どうせ○○できない。どうせ自分なんて」)が基準になっていませんか?
問題の本質と向き合い自分も人もいたわるには
無理に考え方を変えないで、「問題」を冷静に眺める態度を持ちます
表層的な悩みの背後の本質的な問題
症状は「問題」の「現れ方」であって、問題の本質ではないことがよくあります。
例えば、「風邪」というありふれた病も、熱やのどの痛み、鼻水などの症状は、体内で行われている免疫によるウィルス撃退作用による結果として現れているにすぎません。なので、症状に対処しても、免疫力が発揮されなければ、いつまでたっても風邪は治りません。
ココロ問題も同じことが言えます。今現れている「うつ」や「不安」「環境に適応できない」「人間関係」「体調不良」などによる様々な心の「症状」には、ココロの奥深くにある普段は見えない(意識しない)本質的な理由があるのかもしれません。
もちろん、対症療法が功を奏すこともあり、対処で症状が軽快すればそれでいいのですが、症状が根強い場合は、問題の本質を理解してそれと向き合い、場合によってはかなりの長期的展望で「取捨選択」をして対処していくことが必要です。
問題が続いてしまって判断が鈍ると、「逃げる・避ける・放っておく」という一時的な対処に陥りがちになり、それによって問題による不快感から離れることができますが、問題が延々と続く「悪循環」が生じ、本来はどうということのない問題が、いつしか自分を追いつめる「想像の強敵」に育ってしまいます。
「悩み」はどうやって解決できるのでしょうか?
まず、悩みの本質を知ることです。
それなのに悩みが解消しないのは、「悪循環」によって悩みがココロの中でふくらみすぎているためです。
問題と向き合うことを避け、一時しのぎで終わってしまっていること、ある意味、それが悩みの本質です。
「山より大きい宍は出ない。」といいますが、「山より大きい巨大なイノシシ」をココロの中に飼っているのです。

繰り返しになりますが、悩みの本質には、あなたの「過去の経験」が大きく関与しています。そして、その過去の経験に基づく未来予想が、さらに不安を強め、あなたの今の本当の姿を矮小化しているのです。
これはまさに悪循環で、これが繰り返されるほどに、問題は大きく育ち、あなたのセルフ・イメージは小さくなっていきます。
悩みとは、「想像上の強敵」なのです。
解決のためにできること
1.「悩みの客観化」
当所ではまず、お話を丁寧に伺い、その悪循環を明確にして、どのように「イノシシが巨大化」しているのか分析します。
また,問題が大きくなったように思えると、あなた自身が小さくなったように思えます(セルフイメージの矮小化)。そのときは,あたかもそれが真実のように思いますが,実際は下の図のように,ただの「錯覚」なのです。

錯覚だと気づくには,我々がものを見るメカニズムを理解する必要がありますが,それと同じように,あなたの相対的に小さくなったセルフイメージを元のサイズに戻すために,悩みが続くメカニズムを理解するための知識をもつことが大切です。
そして、その知識はイノシシを正しい大きさでとらえる「悩みの客観視」に役立ちます。
すなわち,問題を正しく(客観的に)とらえて見える化し,問題自体を合理的に査定しなおすことで,過剰に膨らんだ悩みを「適切なサイズ」にもどすことができるのです。
このような「悩みの客観視」によって今まで「無理」と思っていた問題(巨大なイノシシ)は、太刀打ちできるサイズに収まり,あなたのサイズももとに戻り,解決の見込みが出てきます。
- 「何に困っていますか?」
- 「今までどうやってきましたか?」
- 「これからどうしたいのですか?」
- 「そのために何ができますか?」
…「客観視」することで明確に整理でき、悩み方が変わります。
「目からウロコ」のごとく、問題の大きさが「対処可能」レベルになり、「今」やるべきことが明確になります。

『神様、私に、変えることができないものを受け入れる平穏を、変えることができるものを変える勇気を、そしてその違いを知るための英知を与えてください。 』
― ラインホルド・ニーバー ―
大切なのは、「解決できることとできない事を区別し、出来ないことは受け入れ、できることを変える勇気を持つこと、そしてその両者を区別できる「知恵」を持つこと。」なのでしょう。
2.「自己肯定的な行動」を育む
基本的に、「悩み」のもとになるものを消したり、見えないようにする、ということにはこだわりません。むしろ、
それがある状態でいながら、「喜び」や「楽しみ」「満足感」「充実感」を積極的に求める態度をもつことを重要視します。

完全にポジティブな状態というのはあり得ないのではないでしょうか。といって、全く否定できるものでもないはずです。その両者のバランスをとることを目指します。一病息災とも言いますが、少し気になることがある方が、むしろ健康を維持するために役立つとも言えますよね。
ネガティブをなくすためにやる行為は、いくらやっても達成感も得られず、自信もつきません。不安に駆られて、ネガティブを減らすように行う行為は、実は衝動的な一時しのぎになっていることが多いのです。したがって、その行為が終われば、再びネガティブが戻って来て、再び、あなたを苦しめるのです。
誰でも、自分で能動的に行動をコントロールする意識をあえて持つ,という態度によって,変化の可能性が生まれます。それは、ネガティブを避けるという目的ではなく、自分の「価値」に基づいた前向きな行為であることが大切です。
ポジティブとネガティブの両立をご説明するための例えとして、当所で「バケツ理論」と名付けています。↓

人は心の中に二つのバケツがあります。
一方は喜びや楽しみなどの快い感情をためる「楽しみバケツ」
もう一方は不安や心配、悲しみなどの不快な感情を入れる「不安バケツ」。
不安バケツがいっぱいだと、心がざわつき、何とかしたくなります。

そこで、とりうる方法としては、不安バケツを減らすために、気晴らしや気分転換などの楽しみごとをすることです。
楽しみごとをすることで不安バケツが空になると、相対的に楽しみバケツが満たされ、楽になります。
楽しみの量が多いと、しばらくは「もつ」でしょうけど、徐々に楽しみは減っていき…、

やがて不安はまた帰ってきて、前と同じ状態、不安がいっぱいの状態になります。
不安バケツを空にすることばかりだと、これは何度でも繰り返され、心のアップダウンが激しくなり、感情に圧倒される、という結果を招くかもしれません。
そこで、

不安を減らす、と考えるのではなく、不安はあってもいいから、楽しみごとを「満たす」と考えてみます。
ちょっとだけ不安を「受け入れる」ということですね。
不安バケツのことは覚えておきつつ、楽しみバケツを満たす、ということを少しだけ優先する、ということによって、上下動を減らし、心を「フラット」にしやすくなることが期待できるでしょう。
- このように、不快な感情があっても、それをなくすと考えるよりも、それとともに歩む、という姿勢がむしろ不快さを軽くできる可能性があります。
- 大事なのは、「圧倒されない」ということで、自分で自分の感情を手名付ける、という感覚です。
- つまり、「zeroストレス」よりも「with ストレス」で考えて、それをマネジメントするという方向性の方が現実的であり、また、心の健康にも役立つといえるでしょう。
- それは、自己肯定感や自己批判という面でも同じことが言えるでしょう。「自己肯定的」とは「自信満々」であったり「自己否定をしない」ということではなく、失敗する自分を認め,失敗してもよい,失敗を許容できる,という柔軟な姿勢ではないでしょうか。
- すなわち、「自己否定、自己批判もするけど、自己肯定もできる」という、ある意味,それが究極の自己肯定といえるかもしれませんね。
ソクラテスの言う,「無知の知」のごとく,「自分は何も知らないことを知っている」のように,「私は失敗して当たり前だということを知っている。」ことを受け入れられることは,大きい余裕につながると考えています。
失敗を許せる自分であるために~あなたが目指せる「解決」とは?
「セルフ・コンパッション」と「セルフ・マネジメント」を念頭において,日々の生活をマインドフルに
解決の形はそれぞれですが,何かものすごいことが起こるわけではありません。問題が解決したあとの生活,は「問題がなくなった普通の生活」であり,ありふれた,どこにでもある生活であるはずです。少しでも心の平穏が増えたなら,大きい変化のための小さい一歩を踏み出したと言えるでしょう。
具体的な変化としては,以下のようなことが期待できるでしょう。
- 自分の気持ちや行動を「自分で決める」ことができる。
- 先のことより「今やること」に集中できる。
- 悩みそのものを受け入れることができる。
- 自分に信頼を寄せることができる。
- 自分を受け入れることができる。
- 感情的な「解放」がうまくできる。
本質的解決を促進する第三世代認知行動療法3つの方法
アクセプタンスとコミットメント
マインドフルネス
セルフ・コンパッション
これらで性格が変えられるのでしょうか?
「性格をマネジメント」
「性格」とは様々な要因が重なり,まじりあって作られているものなので,これらによって「性格」を変えられるかというと,それは性格の定義によります。
ただ,性格の重要な要素である「学習」による影響に鑑みれば,「性格をマネジメント」するというとらえ方は可能と言えます。
悩みそのものの「辛さ」は変わらなくても、ちょっとした出来事で思い悩んだり、人との関係の中で自分を責めたり、卑下したり、比較するたびに一喜一憂するなどの気分の揺れ動きを最小化して、自己肯定的な側面を前面に出すことが期待できます。
結果的に、前向きで成果が上がりやすい行動のパターンがとれるので、「性格が変わった」という状態になることはできるかもしれません。
トラウマと「今のあなた」のつながりを「弱め」、慈悲の心とともに「現実のあなた」「今のあなた」を正しく理解することでセルフ・イメージを高め、楽に人間(じんかん)を渡っていく術を持てる可能性が高まります。
これらの方針は「特別」なものではありません。当所の問題への対処すべてに共通する「問題解決」の根本原理をご説明するものです。すこし分かりにくいかもしれませんが、カウンセリングの際には、必要に応じて、これらをわかりやすくご説明しながら進めていきます。※ご相談の内容に応じ、お客様の段階を考慮して、認知行動療法の技法の中から適切な方法を選択して行います。無理なご提案は致しません。
最後までお読みいただきありがとうございました。