寝付けないときに試してみたい二つのこと

メンタルヘルス

寝たいのに寝られない!

カウンセラーの小村です。

寝付けなくて悶々としていること,ありませんか?

眠りたいのに,眠れない。

明日,大事な仕事やイベントがあり,早く寝つきたいのになかなか寝られないときはとても苦しいですよね。

寝よう寝ようと思うと,ますます寝られなくなるもの。

いわゆる不眠症,と呼べる程ではなくても,こんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

寝付けないわけ

寝る,ということはある意味,「最高のリラックス」ですよね。

言い換えると,リラックスの極限が「寝る」という状態です。

したがって,リラックスしきれていないと,なかなか寝られないのが当たり前です。

暗い部屋で,快適な寝床で,横になっていれば自然に眠気がやってきて寝られるはずなのですが,それを妨げるものの一つが,「雑念」(過去の不快な体験や先の心配などがループする考え)です。

「寝よう寝よう」という強い意識は,雑念となり,かえって心と体を緊張させてしまい,リラックスから離れていってしまうのです。

小村も時々,そんなときがあります。

翌日のことが気になり,あれこれと考えが浮上してきて,不安や緊張,焦りやイライラ,といった,およそリラックスとはかけ離れた気分にとらわれてしまうのです。

こうした「雑念」には体を緊張させる作用があるので、それによって眠りが遠のいていきます。

それでは,雑念を掃う,すなわち「心を無」にできたらいいのかもしれませんが,それもまた難度が高い技です。

今回は「雑念」に焦点を当てて,入眠困難とその対処について考えてみます。

こころから雑念を掃って寝つきをよくするには

雑念に絡めとられて眠れない,そんなとき我々に取れる選択肢の一つが「一つのことを考える」です。

マインドフルネスにおいては雑念を掃う,ということが目的の一つではありますが,現実的にはそれ相応の訓練もいりますし,実際雑念を「掃う」ということは簡単ではありません。

なぜなら、「考え」は遠ざけようとするとかえって迫ってくるという性質があるからです。そこで、遠ざけようとするのではなくて、「他の何かについて考え続ける」という選択肢をとることが効果的なのです。

方法としてマインドフルネスの正式な練習では呼吸に注意を向ける「瞑想」を行います。雑念の代わりに「呼吸」という一つの動作に注意を向け続けることを訓練によって身に着けていきます。

したがってマインドフルネスでは「雑念」を掃うという目的が第一なのですが、その過程で呼吸が整っていくことによって結果として生理学的なリラックス効果も期待できます。

マインドフルネスの目的はあくまで「注意」のコントロールであって、決してリラックスすることや「寝つきをよくすること」ではないのですが、雑念にとらわれて寝付けないときには、上記の理由(雑念が掃われて身体がリラックスすること)により、寝つきをよくす効果が期待できるでしょう。

(マインドフルネスについて詳しくはこちら↓)

眠れないときに「羊が一匹…」と数えるというおまじないがありますが、これも羊の数を数えるという一つのことを考え続けるからこそ雑念が掃われ,自然に寝つきに誘導されていくという解釈ができるでしょう。

もっとも、実際には羊を数えることによってかえって頭がさえてしまい、逆効果になってしまうこともあるようです。

この羊を数えるおまじないはもともと欧米から来たようですが、英語で羊は[sheep]で、英語圏では[sheep sheep sheep…]と唱えるものなのだそうです。これが、sleepと発音が近いことと、原理的にシープという発声で息を吐くことになり,呼吸は基本的に吸うときに緊張して吐くときにリラックスするということから,必然的にリラックス効果をもたらすことが期待できるということのようです。

このマインドフルネスの方法と呼吸によるリラクセーション効果を利用することによって、羊を数えるよりも効果的に穏やかな眠りを誘うことが期待できるでしょう。

1.リラックスをもたらす「二段呼吸法」

(※人工呼吸器における「二段呼吸(ダブルトリガー)」とは異なります。)

  1. 気になることを片付け、寝るばかりにして寝床に入り、寝る姿勢をとりますが、上向きでも横向きでも構いません。ご自身が呼吸しやすい姿勢をとってください。(うつ伏せだと難しいかもしれませんが。)
  2. まず何秒で吸って何秒で吐くのか,数えてみましょう。(無理に呼吸のテンポを変える必要はないので,いつもの呼吸でやってみましょう。)
  3. できるようなら,少しづつ,長く深い呼吸に変えてみましょう。(決して苦しくない程度で)大きく深く吸って,ゆっくり長く吐いていきます。
  4. この時,多少でいいので,吐く方が吸う方より長くなるようにしてみましょう。
吸~~~ 吐~~~~ と。

さらに,

  • 吐いた後に,もう一度,小さく吐いてみましょう。吸って吐いて,吐き終わった後でもう一度「ため息」を吐くような感じです。
吸~~~ 吐~~~~ 吐~~  という感じ。

私はこれを「ため息呼吸」と呼んでいましたが,正式には二段呼吸法と呼ばれているそうで,お釈迦様が弟子たちに伝授した呼吸法だそうです。

  1. 最後に,この二回目の「ため息呼吸」のときに全身の力が抜け,あたかも身体が布団にジワーっと沈み込んでいくようなイメージをもってみましょう。
  2. 身体の中の空気が外に出るとともに、身体を地球の重力に任せてベターっとジワーっと布団の上に広がるようなイメージです。
  3. その際、両手両足の力みはないか、首・腰に力みはないか、奥歯をかみしめていないか、体の各部にも注意を巡らしてみて、力みを感じるようならそこの部位の力みを抜き、その重みを布団に預けましょう。
  4. (力みとは身体に「ピンッ」とか「グッ」とか「ギュッ」とかを感じるかどうかということです。それを、「クターッ」とか「フワ―ッ」とか「ストーン」とかにするということです。)

※寝付けないときは無意識的に体に力みが入っていることがあるので,それを意識的に抜いていくということなのですが,この感覚を言葉ではお伝えしにくい点にはご容赦ください。

このような呼吸を無理なくくり返していくと,呼吸という一つのことに集中することになり,雑念が遠のくとともに自律神経の調整によって自然と体がリラックスに傾いていきます

結果的に眠りに落ちていきやすくなることが期待できます。

※これはマインドフルネスの正式な練習法ではなくて、あくまで寝つきをよくするために工夫したやり方です。

次に,

2.「寝ること」を自分に強制しない

そんな考えをもつ,という御提案です。

眠れないときって、

くそっ、眠れねぇ!

って感じになりませんか?

眠れないことに気づいたら,

  • 「寝よう」としているな~。
  • 「寝よう寝よう」と考えているな~。
  • 「寝たいのに寝られない」で悶々としているな~。

さらに

  • 「寝よう」としている私がいるな~。
  • 「寝よう寝よう」と考えている私がいるな~。
  • 「寝たいのに寝られない」で悶々としている私がいるな~。

というように,今の自分の状態を少し俯瞰した視点で眺めてみましょう。

そして、

眠っても大丈夫だよね、ゆっくり眠ってもいいよね~、眠れたらいいな~、あ~身体のリラックスを感じるな~リラックスできたらいいな~ 眠れなくてもこうして脳と身体を休めておこう~ などのように、

寝られない自分を責めるのではなく,そんな自分をそのまま受け入れていくようにしてみましょう

そのように自分を受け入れながら,1の「ため息呼吸」をしてみましょう。

呼吸と受容(アクセプタンス)で雑念と仲良く

呼吸と自己受容(アクセプタンス)はどんなときにも心を平静に戻し,心身のリラックスを促すことが見込めます。

眠れないときだけでなく,いつでも自分の思考を追ってはアクセプトする,緊張を感じたら「ため息呼吸」でリラックスする。

これを繰り返すことで,様々なシーンでのストレスに対しての強さ(レジリエンス)を発揮しやすい状態になるでしょう。

ストレスへの強さを寝つきをよくするついでに向上させることができるとすれば,試してみる価値ありですね。

今回もお読みいただき,ありがとうございました。