ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)

認知行動療法

ソーシャル・スキル・トレーニング(Social Skills Training;SST)

SSTの定義

①:「対人的状況において、自分の目的を達成し、相手から期待した反応を引き出すような効果的な行動を、指導者の援助のもとに、体系的に学習する認知行動療法(前田ケイ)」

②:「日常の対人関係をうまく維持して行く上で、必要かつ大事な言語的・非言語的行動について、それらをうまく使えるように練習することを目指す心理療法(松原秀樹)」

難しく定義すると上記のようになりますが、「人間関係」や「人付き合い」において、人と出会う場面に予想される状況での受け答えをあらかじめ練習して準備しておくことで、その状況に対する不安を減らして、必要な社会的場面に積極的にかかわれるようにすることです。

生活技能(Social Skills)とは?

■社会生活を円滑にし、周囲の人達との関わりを効果的に行うために、他者からのメッセージを受け止め、社会的状況を評価・判断し、自分の意志や感情を相手に伝達する能力。

■ 道具的技能と親和的技能

  • 道具的技能:状況において目的を達成するための技能。
    例) 店で買い物をするとき、欲しい商品がない時、それを店員に尋ねる。
  • 親和的技能:相手と気持ちを分かり合うといった情緒的な技能。
    例)店の店員と仲良くなるために話しかける。

ポイント⇒ 生活技能を高めることはQOL(生活の質)の向上と結びつきやすい。

生活技能を構成する3つの要素

①送信技能
言語的および、非言語的行動により、自分の感情や意思を効果的に相手に伝える。

②受信技能
1) 社会的刺激に注意を向け、相手からのメッセージを受けとめる。 2) 社会的文脈の中で、その意味を正しく読みとる。

③処理技能
問題解決のための複数の行動選択肢の中から、その結果を予測し、相手との関係や社会的状況の中でふさわしい行動を選び取る。

練習は集団で行う方法が有効なので、集団療法として実施されることが多いです。ただ、カウンセラーとの一対一の場面でも、方法を工夫することで可能なので、よく用いられる方法の一つです。

こちらの説明もご覧ください

※「技法」について説明していますが、概要を簡略化して説明してあるだけです。専門家の見立てと指導の元で行うことで効果が期待できます。