行動活性化療法(Behavior Activate Therapy;BAT)とは
「行動活性化療法」は応用行動分析にもとづき、抑うつの背景には行動抑制があることの前提に、積極的に行動を活性化して正の強化子(喜びや楽しみなど報酬となるもの)を得ることで、抑うつの予防・改善をねらう方法です。
↓の書籍はもう古いのですが,当時,うつの方のカウンセリングに,師匠が考案した「楽しみごとリスト」使って同じような対応をしていたので,臨床や研究にも大いに参考にさせていただいた書籍です。

うつのセルフ・コントロール
若干のスレ、汚れはありますが、比較的きれいだと思います。折込、書込みは見あたりません。
うつ病では,ひとたび行動が抑制されるという悪循環にはいると、楽しみごとや喜びといった快い感情をともなう体験が減少するため、必然的に不安や抑うつといった不快な感情が強くなって,ますます抑うつ感情が強まるという悪循環が生じてしまいます。
そこで、行動活性化療法では,不安や抑うつといった深い感情優位な状態であっても、やることを明確にして行動計画を立て、できることから少しずつ実行して、行動を活性化していくことで、元気を取り戻していくという方法です。
心のエネルギーを充てんする方法と言ってもいいですね。
それによって同時に生活の質が向上し、楽しみが楽しみを呼ぶという好循環に事態が好転していきます。
行動活性化を行うためには、通常の認知行動療法と同じく,活動記録表や行動スケジュール法といった「記録をとる方法=セルフ・モニタリング」が用いられ、以下のような手続きで治療が進みます。
ACTIONモデル(Martell 他,2011)
- Assess:行動の機能のチェック
- Choose:回避か活性化かどちらかを選択
- Try out:選んだ行動は何でも試す
- Integrate:新しい行動を生活習慣に取り入れる
- Observe:結果を観察する
- Never give up:決してあきらめない

うつ病の行動活性化療法: 新世代の認知行動療法によるブレイクスルー
認知と行動の機能を重視する新世代のCBTはうつ病にどうアプローチするのか。世界で話題の効率的な治療マニュアルを詳解する。

行動に焦点を当てるところ、「とにかくやってみて、やってみた体験から判断する」のはマインドフルネスとも共通する点が多いですね。
実際,うつ病の方にも使いやすく,効果が高い方法の一つだと思います。