なんとなく,自分のこれまでの人生に対して虚しさを感じて,落ち込んだり,自己否定的になったりすることはありませんか?
もしかしたらそれは,「ミッドライフ・クライシス(中年期危機)」というものかもしれません。
小村自身も中年期真っ只中です。自分自身もここをどう乗り越えていくか,カウンセラーとして色々模索しながら考えたことを,共有させていただきたいと思います。
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ミッドライフクライシスとは
中年期は人生の折り返し。
世代的には40~50代くらい相当しますが,ユングはそれを「人生の正午」と表現しました。
また,レヴィンソンは,「人生の四季」という言葉で,「人生中間の移行期」として示しています。秋から冬にかけては気持ちが落ち込みがちになりますよね。


(https://www.irasutoya.com/)
また,エリクソンの生涯発達理論では,この世代は家族をつくり,後継者を育て,次世代を育成することが課題としており,気力・体力,環境に恵まれていれば、それまでの経験の蓄積によってその役割をエネルギッシュに全うしていける,そういった役割を背負う世代だとしていますが,一方,職場では中堅・ベテラン,または中間管理職として重要な位置にいて,仕事をしながら後進を指導・育成するといったストレスが大きくなっていますし、家庭では子どもが成長したことによる子どもとの衝突や,住宅ローンなどの経済的な問題などを抱え、いわゆる多重ストレス問題にさらされているわけです。
また,更年期障害や身体機能の低下などの肉体的な衰えによって「老い」を実感し,大きい変化があれば,心身のバランスを崩しやすい時期とも言えます。

このように,若かりし日々,無限の可能性を信じていられた時期から,心身の衰えとともに人生の有限性を実感する中年期に移行することで,自己のアイデンティティが大きく揺らいだ状態のことを,一般にミッドライフ・クライシス(中年期危機)と呼びます。
ストレスの大きい時期ですが,ある意味、これまでの人生を問い直し、来るべき老年期に向かっての総括をするための、人生の転換点ともいえる時期でもあります。
では,この時期と,どのように向き合えばよいのでしょうか?
ミッドライフクライシスとどう向き合うか
まず大事なことは,そもそも中年期危機は誰にでも訪れるものであって,ある意味,人生の通過点です。
だから,中年期危機を感じたとしても何も悪いことではなく,むしろとても順調だという自覚を持つことですね。
そして,しんどさを感じたら,まずは「それは誰でも経験すること」,「今は,そういうタイミングなんだな」という風に受け入れてしまうことが大事です。
そして,気持ちを「切り替える」ために,普段通りに人との交流を持つことや,好きなこと・楽しみごとの時間を忘れず取っていただきたいと思います。
次に大事なのは,今できることを実践しながら,これまでの人生を肯定しつつ,人生のセカンド・シーズンへの展望を持つことです。
例えば,今あなたが心のなかに秘めている「願い」や「やりたいこと」があればそれを具体化してみて,可能なら少しずつ実行してみるのはどうでしょう。
ちょっとだけ,ワガママに
それは,もちろん,何でも構いません。
無邪気だった子どもの頃のことを思い出してもいいですね。ちなみに小村は50を過ぎて,少年時代に大好きだった「虫取り」や「自然観察」を息子とともにやっています。

他にもやりたいことはたくさんありますので,まだまだ,夢を追っていきたいと想う今日このごろなのですが・・・,そういえば最近,息子がギターをやりたいというので,エレキギターを購入したのですが,小村も中学・高校時代にギターを独習してまして,結局モノにならず挫折したのですが,それをふつふつと思い出し,もう一度やってみようかと画策しているところです。
周囲からどう思われるか,それはわかりませんが,大事なのは,社会という枠組みの中で少しだけ「ワガママ」になってみることだと思っています。
これまで社会で職場や家族のために頑張ってきた皆さんにも,その資格・権利はあるはずです。
そうすれば,危機も成長へのエネルギーとなり,「豊かな実り,成熟」に向けての準備期間として過ごせるのではないでしょうか。
中年期という人生の節目は,様々に思い悩むもの,と衰えや変化を受け入れて,自らに「いたわり・思いやりの気持ち」を向け,「あるがまま」に今できることを実践していくのが最もストレスのない向き合い方ではないかと思います。
よほどしんどいときには,カウンセリングもお役に立てるのでは,と思っています。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。