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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

イライラの罪

人は自分の気分を自分自身で選択しているという考え方があります。イライラも、怒りも、うつでさえも、自分自身の選択によって起こる心の状態だというのです。当然、その逆、気持ちよさも、喜びも、明るさも、自分自身で選択出来るわけです。こう言われたとき、皆さんならどちらを選択しますか?

一つ例を出しましょう。

皆さんは渋滞の時、イライラしますか?
私はかなり渋滞には慣れているので、それほどではないのですが、今日は少し状況が異なったので、いつになくイライラがつのりました。

秋晴れの中、車で40分ほどの行楽地に行き、小一時間ほど散歩をして心地よい汗をかいて帰途についた途端、長い渋滞に巻き込まれてしまいました。

少なく見積もって2時間はかかるでしょうか。帰り、近道をしようとしたら、その近道が先週の台風の被害で通行止めになっていたために引き返すというトラブルもあり、時間をよけいにロスしていたこともあり、頭の中は自責の念や後悔、妻への責任転嫁などマイナス思考のオンパレードです。

「何で道路状況をチェックしなかったんだ!」「もっと早く帰ればよかった!」「イヤそもそもこんな所へ来なければ良かった!」「この後の妻との買い物の予定が台無しじゃないか!」

こうなるともういけません。次第に怒りが増してきて、やがて胃の痛みや頭痛を感じるほどになってしまいます。

しかし、行楽地から帰る直前に妻が言った一言を思い出した瞬間、考えが一変します。妻曰く「いい写真が撮れると今日一日が幸せに思えるわね。」

そうです、妻はアマチュアながらプロ並みに写真にこだわりを持っていて、今日も買ったばかりの最新デジカメで写真を撮りまくっていたのです。

その一言を思い出した途端、考えが変わりました。変わったというより、状況を客観的に見て冷静に考えることが出来るようになったのだろうと思います。

「このようなマイナス思考を続けた所で、渋滞がなくなるわけではなし、身体に変調をきたしたり、妻を不愉快にさせたり、自分にとって良くない状況を自分で作り出しているだけじゃないか。どうせ、どう考えても状況が変わらないなら、イライラするのを止めて少しでも気分良くしていた方が数倍得だよな。」

こう考え直してからは、後の約1時間半をそれほどイライラすることもなく、過ごすことができました。もちろん、妻のフォローも大きかったのですが・・・。

こう考えると、イライラとは、「時間と労力と人間関係の大いなる損失」であると言えるかもしれません。しかし、イライラしないと言うことは不可能でしょうから、上手に付き合っていくということでしょうか。

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この「考え方を選択する」という考え方は、あらゆる状況において使えるはずです。人間の気分、感情、考え方は勝手にそうなっているのではなく、そう思いたいからそう考え、そう感じたいからそう感じている。自分自身で「選んで」いるのです。

人は自分の考え方、感情を自分の力でコントロールすることが出来るということです。つまり、自分の人生をそうやって望む方向へと形作っていく事が出来るわけです。