個人的な体験として,いくらリラクセーションや認知行動療法などをやっていても、本来の「アガリ性」は今のところ、変わらずです。
根本的な性格特性はなかなか変わらないものです。
ただ、コントロールできるようにはなっています。学生の頃などは酷いアガリ性で対人緊張も強かったですが、今はリラクセーションや認知変容を使って、それなりに対処することができています。
人の元々の性格はなかなか変わるものではないとはいうものの、ある状況に対処する術を学ぶことはできます。そうすると,根本的なところは変わらなくても,自身の性格に対する認識が変化するようです。
言い方を変えると,ある状況に対処しているうちに,自分の性格を客観視して,その扱い方が変わってくるということでもあります。
あがり症な私 → (あがることへの不安)→ あがりそうな場面にはかかわらないようにしたいな → 上がりに対処する方法を身に着けた → (上がることへの不安減少)→ あがりをコントロールできる私 → あがりそうな場面にも積極的にかかわってみようかな… → あがり症は相変わらずだけどあがらなくなった私!
…のように,あがり症という性格的な認知は,上がることに対しての不安を抱えやすいわけですが,あがりへの対処法を知ることで,あがりに対しての不安を減らすことになり,結果としてあがりそのものを解消(コントロール)することになります。
昔、太極拳と気功を学び始めた頃、半年ほど経過したところで、身体と心理的な無駄な緊張がほぐれ、あらゆる点でラクになってきたことを実感した瞬間がありました。
太極拳や気功は,様々な身体的エクササイズに加え,呼吸法の練習,身体への意識の集中などを用い,マインドフルネスな意識状態をつくり,心身を統制したうえでリラックスを意識的にもたらすための反復練習になりますので,結果として日常的に緊張から解放されることが増えてきたようです。
それは私にとって,副次的ではありましたが,「あがり症」という性格・行動上の特性に対処するにはうってつけのエクササイズでもあったわけです。
他にも,同様の効果を期待できるエクササイズはたくさんあると思いますし,マインドフルネス瞑想なども効果的と思います。
ただ,すぐに効果を実感するのは難しいかもしれませんし,ある程度効いてきても、離れると元に戻ってしまいます。
常に取り組み続ける姿勢によって,維持していくことが大切ですね。
十人十色の性格の中で、困難・苦痛を感じる部分への効果的な対処法を考えて,性格の特性をマネジメントすること、これもカウンセリングに期待できる役割の一つと感じています。