ある、「アハ体験」

「身体の柔軟性」というタイトルでフェルデンクライス法の講習を受けたことがあります。

治療技法として用いる筋弛緩法や自律訓練法などのリラクセーション法を私自身が習得していることもあり、身体の微妙な感覚を得ることや、つながりのある動かし方が意外と上手くできていたようです。

もちろん、まだまだ練習が必要ですので、これからも練習を重ねていきたいと思っています。

ところでこのフェルデンクライス法を経験してから一つ大きい発見というか、喜びを感じることがありました。

実は私、20年近く気功と太極拳を練習しています。どちらも身体の微妙な感覚を得ながら柔らかく身体を動かすことが求められますので、フェルデンクライス法と共通するところも多いように感じています。

それはさておき、その講習会を受けた日の夜、太極拳の練習をするときのことでした。準備運動として行う前屈の動きがあるのですが、その際、脚から腰にかけて今まで感じたことがないような脱力感があり、非常になめらかな前屈ができたのです。

元々私は非常に身体が堅く、前屈など大の苦手だったのですが、太極拳をやるようになって、徐々に柔らかくはなっていました。それで自分なりに柔軟性を実感してはいたものの、これ以上は無理なんじゃないか、と思っていたところで、もう一段階上の柔らかさを得ることができたのです。

これは、まだまだ脚や腰に無駄な力が入っていたために、本来の柔軟性が阻害されていたのだと思います。フェルデンクライス法のおかげなのかどうかは正確には分かりませんが、その瞬間の「脱力感」は、いわゆる「アハ体験」といえるような、心地よさを感じることができました。

腰と脚の脱力ができた、ただこれだけのことなのですが、まだまだ自分の身体の可能性を見いだせたことはとても大きい収穫でした。

なにしろ私も年齢がもうすぐ40代にのりますが、30代終わりになって今まで感じたことがなかったような柔軟性を得ることができたというのは少し信じがたいことであります。

人生の折り返し、ユングは人生の正午と呼び、エリクソンは中年期危機と呼びましたが、私自身がその年齢にさしかかり、何となく不安を抱えることも多い今日この頃です。でも、まだまだこれからですよね?!

・・・と、自分自身に言い聞かせるのでした。