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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

「書く」ということ

近年はパソコンなどIT機器の普及によって、なかなか「書く」という作業から遠ざかることも多いですね。

私は大学の講義の時などに板書する際、簡単な漢字でも思い出すのに苦労することもありますが、これも書く機会が減ってしまっているせいでしょうか(年齢のせいもあるかもですが)。

まあ、必ずしも手書きで、というわけではないですが、「書く」という作業、言い換えますと「記録」をするという作業は、物事を整理するためにとても重要な作業ですね。

心の問題も同様で、悩んでいる時、困っている時、心配な時、などに、そのことを何かに書き出してみる、ということが意外と役立ちます。

心は複雑なネットワークによって物事を考えたり、感じたりしているので、心の中(頭の中)だけで考えようとすると、あれこれと尾ひれがついたり、先入観で考えてしまったり、評価が過大・過小になったりと、なにか偏ってしまいがちです。

そこで、一旦、そのことを「頭の外に出す」ということをやってみます。認知行動療法では「セルフモニタリング」と呼ばれる方法です。考えていること、感じていることなどを、その時の状況や、実際におこなった行動などとともにできるだけ具体的に記録をとっていきます。

単に悩んでいることについて、何をどのように悩んでいるのか、ということを書き出すだけでも、頭が整理されてくるものです。実際には、悩んでいることを詳しく書き出そうと思うと結構難しいものですが、そこは努力です。

そして、ご自分が近づきたい目標や、未来の姿、といったことも、アイディアとして、書き留めていくようにしますと、単なる一時的なアイディアとして消えるのではなく、「記録」として残していくことができます。

成功する人にはメモ魔が多いと聞きますが、なんでも書き留めておく習慣は、メンタルヘルスとともに、何かを成し遂げる際にも役立つかもしれませんね。思考という心の働きを、文字という物質的なモノに置き換えることは、今すぐできる悩み軽減法といえます。

私は、「記録ノート」としてダイソーのA3のノートを用意しておいて、いつも思いついたこと、気になったことを書き留めるようにしています。