広島心理教育研究所 メンタルヘルス相談室Cachette 代表・臨床心理士の小村緩岳です。
さて、みなさんは、自分の頭のなかでの「つぶやき」に耳を澄ましたことはありますか?
前回も書きましたが、今考えていることは「スキーマ」という個人個人の「思い込み」に影響されています。
そして、そのスキーマに影響されて、知らず知らずのうちに自己否定的な「つぶやき」をしていると、それが自己否定という偏ったセルフ・イメージとなり、行動的にも否定的に偏った不適応的な行動が増えます。
それ繰り返されると、やがて『うつ』という状態に。
こころの不調は、この頭の中でしている「受動的なつぶやき」によってもたらされ、強められることが多い、というのが、認知行動療法の主要な考え方の一つです。
なので、その「つぶやき」にまず気づき、それを「本当にそうだろうか?」と疑ってみることが、認知再構成法という、思考チェンジの方法の第一歩です。
もっとも、思考を「チェンジ」することが目的ではないことをお忘れなく。
チェンジした思考が「スキーマ」と不一致であれば、かえって否定的な感じが強まることもあります。
まずは、自分の「つぶやき」に気づいて、自分のこころと「対話」できるようにすることが大切です。
そこで、
- 「今私はこう考えている。」
- 「今私はこう感じている。」
- 「今の私はこんな「考え」を持っている。」
というように、「能動的なつぶやき」をするようにしましょう。
今日もお読みいただきありがとうございました。
「自分も人も大切に」