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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

カウンセリングと認知行動療法の違いとは

カウンセリング

広島心理教育研究所 メンタルヘルス相談室Cachette代表・臨床心理士・公認心理師の小村緩岳です。

カウンセリングと認知行動療法、何が違うのか、とお思いの方もおられるのではないでしょうか。

昔からカウンセリングと心理療法は何が違うのか、その境界について議論はあるところなのですが、これは研究者や実践家それぞれのとらえ方次第だと思っています。

私としては、

  • カウンセリング=「引き出すこと」
  • 認知行動療法 =「付け加えること」

ととらえています。

カウンセリングはこころの整理

カウンセリングでは、とにかく受容・共感的な態度を大切にして「傾聴」に努め、それによって、内面の悩みや葛藤を、クライエント様ご自身が受け入れ、整理していただくことを目指しています。

認知行動療法では、そこに、理論に基づく悩みや問題が続く仕組みをご説明して、それを緩和するために役立つ何かのスキルをお伝えして、それを日常的に使えるようになって頂くことを目指しています。

元々カウンセリングは、学生の進路相談から始まったといわれています。

今でいう、キャリア・カウンセリングですね。

そこではまず、「人生の棚卸し」に取り組むわけですが、それは自分自身との対話、それによる「気づき」といっていいでしょう。自己理解とか自己認識といってもいいでしょうし、言い方を変えますと、こころの「引き出し」をあけて、整理するということでもあります。

実際、私の机の引き出しを開けてみると、何年も前のレシートや、かけないボールペン、使い終わった乾電池、期限切れの塗り薬、などでいっぱいです(笑)。

整理しているつもりでも、長年が経過することで、さまざまなものがあふれ、散らかって、スペースを圧迫していることに気づくでしょう。

それらを整理して、いらないものを捨てて、いるものだけが整然と並んでいたら、どれだけ、効率よく仕事が出来ることか…。

このように、カウンセリングは、たとえるなら乱雑な引き出しを開けて、少しだけ勇気を出して、時間と手間をかけて中身を確認・整理する作業と言ってもいいでしょう。

そうすると、引き出しにもゆとりが出来ますし、中に入れられるものも増えますよね。

要らないものや、見たくないものもあるかもしれませんので、整理という作業には少し勇気もいりますが、今までを振り返るとともに、よりよくするヒントが得られることもあるでしょう。

認知行動療法は整理テクニック

認知行動療法は、ここにさらに、

「あなたにも出来る!引き出しを効率よく整理する超整理法」(笑)

 みたいな「テクニック」を「付け加えていく」というイメージです。

  •  「なんかうまく整理できない」
  • 「整理してもまたすぐ乱雑に…」

 というときに、「そんなときにはこうしよう」

 という、根拠あるテクニック・ノウハウを身につけていくことです。

なので、認知行動療法は、そうした心の整理法を「学習」していくプロセスという一面もあります。

うつな気分が続いたり、不安が高い方などは、引き出しを開けて頂きますと、やはりいろいろなものがしまわれているのですが、その中から、「否定的なもの」だけをピックアップして、引き出しの一番手前の取り出しやすいところに置いておくクセがついておられると例えられるかもしれません。

そのため、今までの整理のままだと、いつの間にか、おなじように、整理されてしまいます。

 そして、「肯定的なもの」は奥の方のなかなか見つけられないところに置いてあることが多いので、「肯定的なもの」を見つけだして、それを手前にもまんべんなく配置するためのテクニックを知る(学ぶ)ことがとても大切になります。

実際のセッションの中では、カウンセリングと認知行動療法をきっちりと区別して行っているわけではないので、「認知行動カウンセリング」というような折衷の言い方をすることもあります。

 カウンセリング、認知行動療法、認知行動カウンセリング…

 言い方は様々でも、目指すところは同じです。

 「こころの整理」とそれによる、心の安定と生活の質の改善、ですね。

認知行動療法についてはこちらでも詳しく解説していますのでご参照ください。

今日もお読みいただきありがとうございました。

「自分も人も大切に」