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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

妖怪ウォッチにみる不安対処法~外在化

さて、皆さんご存じかと思いますが、「妖怪ウォッチ」。

妖怪ウォッチでは、人間界に起こるあらゆることは「妖怪のせい」と、解釈によっては「責任転嫁」をしちゃってますね。

責任転嫁といえばそうかもしれません。

ただ、これはある種の心理療法でいうところの「外在化」というテクニックに近いです。

もともと、「外在化」が知られ始めた頃に、外在化とは「責任転嫁」ではないか、という指摘もありました。

心理療法においては「自己理解」や「自己洞察」が大切なので、物事を「人や物のせい」にするということは、治療の深まりを妨げるとされています。

一方では、外在化は責任転嫁ではなく、あくまで、自分の問題を「イメージ化」してとらえ、問題を対象化して自分から分離することで、問題を客観視する、ということが目的である、ともいわれています。

外在化によって、問題を「つかむ」ことができるので、その問題を「扱う」ことができるようになる、ということです。

たとえば、「外在化」を表す言葉はたくさんありますが、

「泣き虫(弱虫?)子虫、挟んで捨てろ」

臆病で気弱なのは、「泣き虫・弱虫」という「妖怪」のせい、というわけです。

また、「えへん虫」

のどがいがらっぽく、咳や咳払いが出るのも「えへん虫」という「妖怪」のせい、というわけです。

ほかにもまだまだあるでしょうけど、妖怪化されている対象は「自分の中にあるもの」です。

自分の中にある、気弱さやのどのいがらっぽさという「状態」をイメージしているだけであって、外部の物のせいにしている、わけではありません。

問題を具象化して、しかもそれをユーモアたっぷりにイメージ化できると、そのものに対しての「怖さ」がなくなり、具体的な対処法がみえてきます。

「よくわからない」ものに人はいいようのない不安や恐怖を感じるわけですが、そんな体験が量感や質感という心理・物理的なものに置き換わることによって、「対話したり、戦ったり」できる対象に変わっていくのです。

イメージの力は大きいですね。

いやなこと、不安なこと、それに少しユーモアというエッセンスを付けて、「外在化」してみることは、不安の効果的な対処法になります。

うちの子はなぜか、車中で(保育園の送り迎えのため30分~小1時間かかります)「おしっこ」をもよおすことが多く,車中で漏れそうになるのを必死でこらえることが多くありました。

そうすると、「またおしっこしたくなったらどうしよう・・・。」と、車に乗るのが怖く(不安に)なるかもしれません。

そんなとき、「これはきっと妖怪”モレゾウ”のしわざだな」となれば、親も子どもも笑って対処することができそうです。

気分が落ち込んでいるときは、「ドンヨリーヌ」でしょうか。

せっかく流行っているのなら、うまく使いこなして、自らのセルフケア、そして子どもとのコミュニケーションにつなげていくのも、大人の知恵、というものかもしれませんね。

子どもが「グレルリン」にならぬよう、親としても「ホノボーノ」といきたいと思う、今日この頃です。

今日もお読みいただきありがとうございました。

あなたのお宝が見つかりますように。

 広島心理教育研究所 メンタルヘルス相談室Cachette