認知行動療法によるカウンセリングをしていると、かならず、悩みには大抵、ものごとへの思い込み、すなわち、
「心のクセ」
の影響があることに気づきます。
そのクセを失くすことが出来たら、悩みは小さく感じられるようになります。
悩みの根本は無くなりませんが、とらえ方が変わると、負担感が減少するということですね。
ただ、その「心のクセ」にはなかなか気づきにくいものです。(「無くて七癖」には、きっと「心のクセ」も含まれるのでしょうね。)
自分の考え方が、「つい、こんな風に考えてしまう」ということに気づいている方は実際多くて、だから「こんな風に考えたらいい」ということもお分かりの方も多いです。
「頭では分かっているけど・・・。」
「でも、それができないんです!!」というのが、
相談者の方の「叫び」なわけですね。
なぜなら、「心のクセによる考え」というのは「意識しないでも自動的に生じるもの」だからです。
パソコンを起動して何か仕事をするとき、パソコン画面に映る画像や文字などは、パソコンのプログラムの「結果」を見ていることになるわけですが、その背後には技術者でなければ見られない「ソースプログラム」があるわけです。
人の思考も、意識している自分の「考え」の背後には、その結果を導き出すプログラムのようなプロセスがあって、その働きで、今の自分の「考え」が出てきているということです。
心のクセというような思い込みは、そのプログラムに何らかの「偏り」があるということなのですが、ふだんはそれを見ることができない(意識できない)ので、「考えていることは理解できても、変えることができない」という矛盾が生じることになります。
「考え」を変えるには、その背後のプログラムを理解して、それを修正するという、手続きが必要になります。そうすると、自然に考えは、ちょうど良い考えへと変わっていきます。
「考え」を変えるのではなく、『「考え」の偏りをもたらすこころのクセ』を変えるのが、認知行動療法です。
認知行動療法では、この自分の思考のプログラムへの気づきに意識を促していくようなプロセスで、カウンセリングを進めます。
これが、こころの科学と言われるゆえんですね。
その気づきが得られると、びっくりするくらいの変化が起こります。
「心のクセ」は、生活環境や育った環境など、社会的なものの影響を受けますので、その時々のシーンではある意味必要なものではありますが、環境が変わると、今度はなじまなくなっていきます。
衣替えや、その場にあった服装をするように、こころも環境にあうようにコーディネートしていく事が大切ですね。
この季節、環境が変わった方も多いのではないでしょうか。
認知行動療法の「自分探し」のプロセスで、お役にたてることを願っています。
今日もお読みいただきありがとうございました。
あなたのお宝が見つかりますように。