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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

こころの成長 ~「甘えさせる」と「甘やかす」~

子どもの体は日々成長を続けていますが、それに伴い「こころ」も発達をしていきます。心の発達そのものは目に見えませんが、子どもの日々の振る舞いや習慣によって見て取ることができるでしょう。親の実感としては、「大人になったなぁ」としみじみする一方で、「いつまでたっても子どもだなぁ」と苦笑いする瞬間もあることでしょうね。

子どもは甘えながら自立を目指していきますので、大人から見ると、「わがまま」だらけですね。特に思春期は嵐の時期であり、独立と依存の狭間で葛藤を繰り返すことで、大人としての振る舞いを身につけていきます。

例えば、ゲームばかりして宿題をしない子どもがいるとしましょう。何度言っても聞かないので、親は子どもに宿題をさせようとゲームの時間を制限したところ、子どもは強く反発し、親に対して暴言を吐きました。

それに対して親はその感情の爆発を正面から受け止め、繰り返し言って聞かせて説得したところ、子どももイヤイヤながらも納得しました。その後、子どもは宿題も自発的に行うようになり、ゲームも決められた時間内でできるようになりました・・・。

これは「甘えさせる」の典型的な例です。子どもの反発は「甘え」ですので、それを受け止めながら(甘えさせながら)説得をしたことが功を奏し、子どもの成長につながりました。

もし、子どもが反発するので、「仕方なく」ゲーム制限を撤廃したとしたら、それは「甘やかす」ということですネ。甘やかすのは、子どもの甘え(反発)を受け止められなかった、ということを意味します。当然、子どもはますます「甘える」ことを覚え、自立が遠のいてしまいます。

親がうまく甘えさせ、子どもがうまく甘えることができると、子どものこころはより成長し、自立への歩みを進めることができるのだと思います。中学生ともなれば、大人と同等の言語能力を身につけているので説得には手を焼くことと思いますが、親子でじっくり話し合う、というスタイルは、子どもの社会性を育み、家族の絆を強めることでしょう。