広島心理教育研究所 メンタルヘルス相談室Cachette代表・臨床心理士の小村緩岳です。
なにか「行動」すれば、変わるかも、「やってみたいけど、できない。」「やってみたけど長続きしない。」
そんな経験はないですか?
思うことを素直に行動にできれば、こんな楽なことは無いかもしれません。
ただ、「行動」には、様々な制約があり、「やってはいけないこと」もありますし、能力的に「できない」ということもあるでしょう。
普通は、そうした制約とのバランスをとりながら、「行動」をしています。
そして、その「制約」が、妙に厳しく、自らの行動をブロックして、生活や仕事の妨げになっていることも多々あります。
それは多くの場合、「心理的な制約」で、ベタな言い方をしますと「メンタル・ブロック」などと呼ばれることもあります。
何か欲しいものがあるけど、自分はそれを得る「価値がない」というように、自分を割り引いて考える「自己否定」。
そして「0-100思考」とか「白黒思考」と呼ばれる「完璧主義」がその背景にあることが多いです。
何かをやろうとしているとき、そして、やっていることにくじけそうになったとき、頭の中でどんな「つぶやき」をしていますか?
以前、たとえとして、新しく買った服をすぐ着るか、それともタンスの肥やしとするか、という例を出しました。
服を買うときは、それを着た自分をイメージし、それなりに+の思いで買うと思います。
例えば、仕事のためにスーツを新調しよう! という前向きな気持ちでスーツを購入。
それを持って帰り、翌朝、出勤のために着ようと思った時、何か「もったいない」と考え、「やっぱりこっちの古いほうにしよう」と、自分を割り引く「つぶやき」をしていませんか?
そして…
じつは、このように新しい服を「着ない」という選択が、自らの自己否定感を「維持」させているのです。
つまり、「価値のない自分」を確認するための行為になっているのです。
「割引のつぶやき」に負けないようにすることで、「やりたいことをやれることに」できます。
「割引のつぶやき」の存在を認めつつ、それでも自らの、「妥当な価値を認める」ための行動を増やしていきましょう。
今日もお読みいただきありがとうございました。
「自分も人も大切に」