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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

「自分の気持ちが分からない」ときに考えるべき一つのこと

「自分のことは自分が一番よく知っている」とはよく聞きますが、一方で「自分の気持ちが分からない」という悩みもよく聞きます。自分は一体、「どうすべきなのか」、「何をすべきなのか」、「何をしたいのか」、がわからず、全く将来への展望が持てずに停滞しているという状態です。・・・しかし、本当にそうなのでしょうか。

実際には、これらの答えを知っている(持っている)けど、それの実行をブロックしている「何か」があるという表現の方がピッタリ来るように感じます。

「これをすれば万事解決する。」または、「少なくとも今よりはかなりましになる。」と分かっているのに、実行しないで(出来ないで)足踏みを続けているという、矛盾した状態です。

答えを知っているということと、それを実行することの間には深くて大きい溝があるようです。

なぜ、やれば良くなると分かっていることが実行できないのでしょうか。

それこそが、「自分の気持ちが分からない。」ということの本体なのでしょうけど、その溝を埋め、実行する気になってもらうための何らかの「後押し」をするのがカウンセラーの役割の一つなのだと最近つくづく実感しています。

心理学的には「動機づけ」の問題と言えるでしょう。

何が行動を始発させ、何が行動を維持・強化し、どんな結果が得られたのか評価するという一連の流れを考えることです。

「やればいいのに出来ない」という思いの背景には、単純に準備不足やどうやったらいいかわからないという技術的な問題ということもありますし,そもそも続けることが難しい課題を設定しているということもあります。

また,「どうせやっても無駄」とか「やっても何も変わらない」といった行動の結果への不安の問題もありますし,「人からどう見られるか不安」という対人認知の問題などがあり、行動の始発や持続の妨げになっていることには,複数の要因があります。

あるいは,全てがきちんと整っているのに,行動が続かない,ということもありえます。その背景には,自分が今まで守ってきた「信念」や「行動パターン」が崩れるときに生じる不安や混乱の存在があります。

変わることへの不安と言ってもいいでしょう。これは,意外と盲点ですが,割とありがちなことでもあります。

そんな時は,変えることのメリットも必ずあるはずなので,まずは、自分のなりたい姿を具体的・鮮明にし、そのメリットを享受するイメージを明確に持つことが大切です。

そして、目標設定を適切にして,それに近付くために必要なステップを小刻みに淡々と実行していくことで,なりたかった自分に気づくことができれば、それが「自分の気持ちを知る」ことにつながるものと思っています。

お読みいただきありがとうございました。