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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

ストレスとガンコな身体の症状

ストレスが体に表現されると、一般に「心身症」といわれます。

肩こり腰痛、頭痛、腹痛、潰瘍、ぜんそく、不整脈、高血圧…等々、挙げればきりがありません。

 

およそ、ほとんどの病気がストレス性のといえるような勢いです。

 

こうしたストレス性の身体的疾患は一般に難治性で、なかなか良くなりません。

 

といいますのは、本人はそれが「ストレス」の害であることになかなか気づけないからです。

 

といいますか、何か心理的なストレスについて尋ねても、どこか他人事のように否定的な答えがよく帰ってきます。

 

こうした状態を一般に「失感情」と呼びます。

 

本当はイヤなのに、しんどいのに、それを表現できない、というか、そのイヤさ加減やしんどさを、そのまま表現できないのですね。

 

そしてそれが、やがて、身体を通して表現されるようになります。

必然的に、その症状は、本人が気づかないイヤなことを回避できるような症状となって現れることが多いです。

 

有名なエピソードで、著名な作家の夏樹静子さんが、3年にわたって「腰痛」に悩まされ、座ることができないので、仕方なく執筆を控えていた時期があるそうです。

 

医師から、「慣れないテーマでの執筆がストレスとなり、それが腰痛を引き起こしたのでは。」

と問われ、

「仕事は楽しいし、ストレスで激しい痛みが出るわけがない」と納得しなかったそうです。

…ご本人は、それがストレスになっているとは(意識の上では)全く思っておられなかったのですね。

本当にイヤで、それが意識できるのなら、そのイヤさ加減をコントロールできるわけですが、意識できないので、身体を通して現れるしかないのでしょう。

 

ニューヨーク大学医学部教授のサーノ博士は、こうしたストレスは血液の循環を妨げ、血流の不足によって身体各部の痛みに関連するとの説をかかげ、世界的に知られています。

 

精神分析では「抑圧」された感情、というようにいわれますが、本来、感情は表に現すのがこころの自然な作用。

 

それを出さないことは、何らかのしわ寄せが体に起こっても仕方ないのでしょうね。

このように感情をおしこめているのに、一見ストレスを感じないために起こる心身の病。

 

結局それを吐き出せるように、自分の心を探求し、ストレスをストレスと認めることが必要なのでしょう。

・・・何か矛盾しているようですが、いろいろな事例を見るとそういうことのようです。

 

「明日も、自分も人も大切に。」

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

(小村緩岳)

※夏樹静子さんのエピソードはhttps://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=63748を参考にしました。かこのリンクなのでつながらない場合はご容赦ください。

※サーノ博士の著書は邦訳されています。

(ジョン・E・サーノ著 長谷川淳史訳 「サーノ博士のヒーリング・バックペイン―腰痛・肩こりの原因と治療」 春秋社)

 

今日もお読みいただきありがとうございました。

あなたのお宝がみつかりますように。

 広島心理教育研究所 メンタルヘルス相談室Cachette