太極拳をかなり長くやっています。
私が学んだ太極拳は珍しいもののようで、一般的な太極拳のイメージとは少し異なっているようです。
とても体力が必要な「陳氏太極拳」と、ほどよい動きながらとても演武時間が長い「楊家秘伝太極拳」という2種類が一応、できます。
陳氏太極拳はとてもきつく、体力を消耗します。楊家太極拳はやっている最中はとても心地よく感じ、演武終了後は逆に身体に力がみなぎってくる感じがします。
いずれも、身体をリラックスさせて、ゆっくりとした動きで演武しますが、ゆっくりとした動きの中で姿勢を維持しながら、身体各部を調和させて動ことを要求されます。
慣れないうちはどうしても身体に力が入り、姿勢が乱れますが、練習を重ねるにつれて、力が抜けていきます。
力が抜けると共に、全身に注意が向くようになり、姿勢を維持しながらゆっくり動くことが苦ではなくなっていきます。
力が抜けているのに、力がみなぎってくるというのも逆説的な表現ですが、本当にそうなのです。
実際、リラックスすると、活力が取り戻せます。
リラックスできていると、元気になります(アクティベーション)。
しかし、完全にリラックス(弛緩)しきっていると、活動どころではありません。
つまり、「適度に緊張」している必要があります。
これを「最適な緊張」と表現しますが、いわゆる我々が求めるリックスとは、「最適な緊張」を意味します。
これは、身体の状態をモニターしてしっかりとコントロールできていなければ実現できません。
そのためには、「集中力」が必要です。
従って、リラックスを求めるには、身体をコントロールする意志の力を強める必要があるのではないかと感じています。
リラックスするために「意志の力を強める」というのも逆説的ですが、太極拳と様々なリラクセーション法を学んできた経験によって体験的に感じているところです。