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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

不登校問題にかかわって

学校のカウンセラーをしていると、不登校の児童・生徒が学校でも学校外でも支援の機会に恵まれず、ご家族ともども困り果てている、というケースに多く出会います。

保護者との接点を大事にして、ご家族全体を支援するというスタンスで対応することが多いのですが、やはり、不登校が続く子供にはいわゆる神経症レベルの問題が多く見られ、本人に対しての適切な支援がどうしても必要な場合が多くあります。

子どもはしかし、学校カウンセラーに会うために登校することさえ拒否するので、必然的に学校外の資源をご紹介することも多いのですが、帯に短し襷に長しといいますか、ぴったりくる相談機関がなかなか見つからないという状況が多いです。

また、発達障害(いわゆる自閉症スペクトラムやADHD、学習障害など知的に問題がないケース)と診断は受けたものの、その後の対応について継続的に対応してもらえる機関も少なく、診断がついただけで問題はそのまま、というケースも少なくありません。

いずれも、本人が抱える問題が病気と個性の境界、といいますか、いわゆるグレーゾーンに位置するため、はっきりとした対応の方針が立てにくい、ということに起因しています。不登校にしても、軽度発達障害にしても、未だに「怠け」や「わがまま」という捉え方をされることもよく見うけられます。

そうした子どもたちは自分の個性や悩みをなかなか理解してもらえず、どんどん自信を失って、無力感を強め、やがて抑うつが活動性を奪っていきます。結果、不登校や引きこもりといった現象として現れることになります。

子供が学校に行かない、という現象には、そうしたグレーゾーンの問題を抱える子どもたちへの周囲からの(家族も含みます)適切なサポートが提供されない、ということ、そして概してそうした子どもたちは自ら助けを求めることがない、という「一人で抱え込みすぎ」という特徴を持っている、という背景が強く見られます。

子どもが「自分を助ける努力」をはじめ、そして周囲(主に家族)がそれをサポートをすることで、不登校の子どもは立ち直るきっかけをつかむことができます。カウンセラーの立場からは、子どもに対するかかわり、そして親の子どもに対するかかわり、この両輪でのアプローチが子ども問題の解決には不可欠で、それを可能にするために、外部資源として役割を担う必要性を強く感じています。

今日もお読みいただきありがとうございました。

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