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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

キリンを冷やすには?


研修会からのネタですが、「視点を変える」というお話です。

講師の先生からのクイズで、「キリンを冷蔵庫に入れるにはどうしたらよいでしょう」という問題がありました。

さて、お読みの皆様はどうお考えになるでしょうか。


キリンは、実物の大きいキリンです。「キリンビールを入れる」とかはハズレです。本物の大きいキリンです。「キリンを写真に撮って、その写真を入れる」のもハズレです。あくまで本物のキリンです。


私は、正解が一瞬頭をよぎりましたが、「まさかね。こんな答えじゃないよね。」と思って、正解とは異なる別の答えを探していました。


みなさま、今しばらくお考え下さい。


さて、正解は・・・。


「キリンが入る大きい冷蔵庫を用意する」です。


いかがでしたか? 拍子抜けされました? あっさり正解された方もおられたかもしれませんし、「なぁんだ。やっぱりそうだったのか!」と思われた方もおられたかもしれません。

あくまで実物のキリンを入れるとなると、考え方としては二通り、キリンを小さくするか、冷蔵庫を大きくするか、です。

ただ、答えがなかなか出なかった方の多くは、いわゆる「家庭用の冷蔵庫」イメージされていたのではないでしょうか。そうしますと、冷蔵庫を巨大化させる、という発想より、キリンをどうにかして縮める、という発想で思考が進んだのではないでしょうか。

一度このような方向性で思考が始まると、「視点を変えて」、と言われてもなかなか変わらないもので、「キリンを小さくする方法」にこだわることになってしまいます。

その努力の一端が、「写真」や「キリンビール」という「発想の転換」になるわけですが、それは確かに一面では視点を変えたことになりますが、本質の解決には至らない「ニセの解決」であるわけです。

結果、解決に至る道は閉ざされ、答えの出ない考えを延々と繰り返すハメに陥ります。

これは、常識にとらわれない、物事をむしろ「逆さまから」考えてみる、という思い切った思考転換法をとることで、どうにもできないと思える問題の解決が見えてくる、という思考の柔軟性トレーニングの一端と言えます。

考えてみますと、実物の「キリン」を小さくするには、それこそドラえもんの手を借りなければなりませんが、大きい冷蔵庫は現代の技術ならいくらでも作れそうです。(といいますか、冷蔵「倉庫」と捉えれば、すでにいたるところにありそうですし。)

なぜか、不可能な方ばかりを考えて、可能な方を考えない、という、人の「思考のスパイラル」の落とし穴を例示する、秀逸なお話でした。

「どうせ悩むなら、可能な方で悩みたい。」

そんな方には「認知行動療法」で対処が可能です。

今日もお読みいただきありがとうございました。

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