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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

その気分は誤解かもしれない~ストレスがもたらす気分~

広島心理教育研究所 メンタルヘルス相談室Cachette

代表・臨床心理士の小村緩岳です。

うつや不安といった気分は、いつでも「思考」と関連しています。あるいは「体」と関連しています。

不快な気分に悩まされるときは、マズこの両者をチェック!

 

前回は「思考」についてでしたので、今回は「身体」についてです。

 

うつや不安は「気分」「感情」ですが、「気分・感情」は「こころ」というより、「からだ」との結びつきが強いです。

 

「気分・感情」は、身体の反応の「あとに」生じる、身体的変化へのラベル付け、みたいなものです。

 

有名な実験ですが、ダッドンとアロンの吊り橋実験、というものがあります。

 

吊り橋の両端から、お互いを知らない男女を同時にわたらせると、中央付近ですれ違います。

 

そのときのわずかな接触が、お互いに対して、どのような印象をもたらすか、あとから確かめたところ、お互いに恋愛感情を抱くほど好意を持っている率が高かったとのこと。

吊り橋の上をわたるという、身体的なドキドキをもたらす状況で、そのドキドキを、すれ違う異性に対してのドキドキ、つまり「恋愛感情」としてラベル付けをした、という解釈です。

身体的反応に対して、どんなラベルを付けるかによって、持ちうる感情体験が異なる、ということですね。

 

身体的反応は基本的に同じものですから、状況によっては(男女が出会わない)、ただ吊り橋を渡って「怖かった」「スリルがあった」というような普通の体験になるだけです。

 

身体の変化、つまり、ドキドキや呼吸が早い、身体的緊張などが頻繁に起こっている場合、気がつかないうちに、状況に合わせた「ラベル」を付けていることがあるのです。

 

何も対象が見つからない場合、ただそれを「不安」とか「心配」とかラベルを付けることもあり得るわけです。

 

ある研究では、コーヒーを頻繁に飲む人ほど、不安を感じやすいそうです。

 

コーヒーのカフェインによる身体的亢進(ドキドキ)が、影響しているのかもしれません。

 

夫婦げんかによる緊張感を、仕事に対しての緊張感としてラベル付けしていることもあるかもしれませんし、その逆もあるかもしれません。

 

身体の疲労を、「自分は元気がない」「自分には能力がない」という風にラベル付けをしているかもしれません。

 

もしかしたら、そのラベル付けが、誤っているかもしれません。

 

「働き過ぎ」や「寝不足」、「緊張続いたことによる疲労の蓄積」「飲み過ぎ」など,いつものストレスにより身体に自然に起こる変化に、否定的なラベルを付けているだけかもしれません。

 

このように、不快な気分におそわれたときは、身体の状態をマズ確認して、それに、なにかのラベル付けをしていないか、確認してみましょう。

 

今日もお読みいただきありがとうございました。

「自分も人も大切に」