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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

旅行と心身のリフレッシュ

秋は旅行・行楽シーズンでもあります。これからご予定をたてておられる方も多くいらっしゃると思います。

さて、人は何のために旅行をするのでしょうか。古くは江戸時代、お伊勢参りといって、江戸から伊勢神宮への旅行がはやったことがあるそうです。

もちろん、車も鉄道もない時代のことですから、大変な道中だったことでしょう。これは、当時の信仰心が一つの原動力だったのかもしれません。

しかし、現代ではもちろん、目的はそれに留まりません。

四国のお遍路さんなどは現代にも残る信仰に基づいた旅行と言えるでしょうが、そうした例はまれで、むしろ、楽しみ、いわゆるレジャーやバカンスという意味合いがほとんどでしょう。

普段仕事の忙しさなどであまり旅行に割ける時間が少ない方でも、「たまにはどこかへ旅行にでも行きたいわねぇ。」と思っているのではないでしょうか。

また、欧米のビジネスマンは、年に一度はリフレッシュのための長期バカンスをとり、身も心もリフレッシュさせると聞いたことがあります。

 日本旅行業協会の調査では、旅行には確かに、心身をリフレッシュさせるという効果が認められています。このストレス時代を乗り切るための安全弁的な働きをしているのかもしれませんね。

温泉などに行くことは心と体にいいと医学的にも証明されていますが、最近、旅そのものが健康と関連していることがわかりました。メンバーは17名。気候の温暖な3月の3日間で、各ポイントで採血や血圧測定、脳波測定等の検査を行ないました。その結果、いろいろな効果が改めて発見され、旅行に行くだけでこんなに健康になれるということが、科学的に証明されました。これは事実なんです。(「旅って体にいいこと発見!!」 旅と健康に関する調査研究プロジェクト監修 社団法人日本旅行業協会)

 それでは、心身のリフレッシュとは、どういう事でしょうか。
「新鮮さを取り戻すこと。」
心身の状態を調整して、くたびれた状態を生き生きとした状態へと導くことと言えます。旅行に何故そうした効果が見込めるかというと、ひとえに、旅行の非日常性にあると言えるでしょう。
短期間で、近場であっても、普段の生活、仕事、その他のしがらみから解放され、別の時間軸と空間軸で行動することが出来るわけです。
日常とは、同じ空間軸、時間軸で行動することなわけですから、非日常には、普段の定型の行動パターンを大きく崩す力があるわけですね。遠方、長期間となればますますその効果は大きくなるでしょう。
 普段の行動パターンが崩れた状態では、人間はそれまでとは違う行動パターンを使う必要があります。この、新しい行動パターンを使うことこそが、心身のリフレッシュになるようです。
 それともう一つは、普段見ないもの、出会わないものが周囲に多くあるわけで、必然的に自分の周囲への注意が喚起されます。
好奇心が強く刺激されるわけですね。新しいものへの興味・関心は、脳を活性化させ、リフレッシュ効果が見込めるわけです。
最新の研究では、眼球の動きには心身のリラックスを促進することがわかってきていて、それを心理療法に応用する試みもなされています。
旅行で周囲のものを興味関心を持ってみることは、普段以上に眼球を動かすことになり、それがリフレッシュとしての効果を大きくしているのかもしれません。
 どちらにしても言えることは、「日常から間をとる」ということでしょうか。間をとることは客観視につながり、日々の生活で凝り固まった心を解きほぐしてくれます。
 これは旅行に限らず、いつでも実践できる事だと思います。忙しい仕事の合間にも「休憩」の時間をとる、行き詰まったときには人の意見を聞く、情報を集める、などによって積極的に「間をとる」事は、問題解決と健康の維持に一役買ってくれることでしょう。

 ・・・それと、旅行の際はぜひ写真を撮ることをすすめします。心に焼き付けるのも良いですが、物理的に残っていると・・・色々役に立つはずです。