人が苦手、人と接することが苦手、という場合、人そのものよりも、自分のふるまいが人を不快にさせるのでは…という不安感が強く出ます。
不快にさせると、自分のことを嫌うのでは、という、考え方になります。
実際のところ、自分で思っているほど、人は自分のことを気にかけてはいないものなのですが、「人はこう思っているのでは」という「想像の産物」によって、自分を人嫌いにしてしまっているのですね。
つまり、大部分が「自分の思い」であって、本当の「人の思い」ではないということです。
人の思い、他人がどう思うか、はなかなか変えられないものですが、自分の思いは変えることができます。
ここが、人嫌いを克服するポイントです。
想像の産物としての思考には、大抵、「認知の歪み」と呼ばれる「思い込み」が含まれています。
その思い込みから抜け出すだけで、人との関係もずいぶん楽になります。
認知行動療法(認知療法)では、それを「認知再構成法」という方法で行いますが、例えば、自分の考えていることの「根拠」(そう考えるだけの事実)と「反証」(根拠を否定する事実)を探し、両者をつなげて、より現実的な考えをつくる方法が一般的です。
ほかにも、「シナリオ分析」といって、「最良のシナリオ」「最悪のシナリオ」を考え、その間を取った「現実的なシナリオ」を考える方法、その考えそのものの「メリットとデメリット」を考える方法、人の視点から自分のことを考えてみる方法など、いろいろあります。
共通するのは、そうして、偏りを修正して、「現実的」な視点で考えてみることです。
重要なのは「ポジティブ」になることではなく、「現実的」であることです。
例えば、あなたが人のことを考えるときに、どう考えるでしょうか。
人のことをことさら「悪く」思うでしょうか。
聖人君子はいませんから、思うこともあるかもしれませんが、「まあそんなもの」「しかたないよね」みたいに納得することが多いのではないでしょうか。
人は許せるのに、自分は許せない。
これを二重の基準(ダブルスタンダード)といいます。
人は必ずしも、自分を嫌ったり、不快に思ったりするのではなくて、あなたと同じように寛容なものだ、と考えることは、人に対する「リスペクト」です。
自分が赦せないので人がリスペクト出来ない。
これが人嫌いの本質といえるでしょうね。
まずは、自分を許しましょう。
今日もお読みいただきありがとうございました。
あなたのお宝が見つかりますように。