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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

軸を持つこと

判断に迷うときというのは誰にでもあることですが、迷ったときにどのような決断ができるか、という点には個人差があります。

いわゆる「決断力」ですが、何か特別大きいことではなくても、日々生きて生活(行動)しているということは、常に小さい決断の連続なのではないかと思います。

そう考えると、意外と、人の行動は簡単に変わるものなのかもしれません。

毎朝眠い目をこすりながら起きて会社や学校へ行くのも、悪いクセが直らないのも、考えようによっては、その瞬間に、そういう決断をしているから行っている、ということになります。

考えてみれば、人の悩みはその決断が揺らいでいるときのように思います。決断の揺らぎというのは、言い換えれば、今までにない決断をしようとしているが、それが未知の体験なので、何が起こるか分からないという「不安」を生じている状態といえるかもしれません。

決断力に優れた人というのは、自分自身の中にかなりしっかりした「軸」があるのだろうと思います。

その軸とは、いわゆる自尊心であったり、自己効力感であったり、楽天性であったりすると思いますが、何らかの一貫した姿勢を貫けるというのは、結果はどうあれ、とても尊いのではないでしょうか。

ところで、私は解剖学をきちんと学んだことはないのですが、人体の「軸」はおそらく脊椎ですよね? 脊椎動物というくらいですから。

気功や太極拳、ヨガやその他ボディーワークの多くはこの脊椎を適切な位置におき、身体の軸を作ることに力を割くという点では共通していると思いますが、人体の軸(または軸意識)というものが形成されれば、心の軸もできていくのでしょうか。

最新の心理療法では「瞑想」を用いて考え方の変容や心身の調和を図る「マインドフルネス」が取りざたされています。マインドフルネスはヨガや禅など東洋的行法のもつ心身医学的効用のエビデンスが積み重ねられ、米国などでは体系的な心理教育プログラムとして臨床応用が始まりつつあります。

個人的には、マインドフルネス(”今”、という瞬間に注意を集中すること)は結果的に身体と心の「軸」を作ることになっていると考えています。

そう簡単ではありませんが、迷いながら、悩みながら、今の自分を受け入れて、今すべきことを無理なく決断していける、そんな「しなやかな軸」を作っていきたいと思う今日この頃です。