臨床心理士の小村緩岳です。
過剰適応型のパターンを持つ人は、どうしても自分を抑えて我慢することが多いため、葛藤を抱え、我慢や葛藤は、自分の欲求を満たせない、いわゆるフラストレーション(欲求不満)によるストレスを生み出します。
それがやがて心や体の「症状」となって現れます。
それらの症状は、自分のそうした欲求を抑えていることによっておこっている、ということに、当の本人は気づいていないことがほとんどです。
気づいていないというか、自分を犠牲にするあまり、負担に感じる「感情」をも抑え込んでしまって、辛さやしんどさそのものを感じない、ようにしてしまっているのです。
「失感情」と呼ばれる状態です。
この失感情は、「からだ」の様々な症状として『表現』されることが多いです。
それへの根本的な対処は、抑えていたところを解放して、内面のエネルギーを上手に表現することです。
長引く体の症状の背景は、実はこの失感情による身体的症状であることが珍しくありません。
そして、この過剰適応による失感情は、まさに「人間関係」のなかで生じてくるものなのです。
- 「嫌われたくない」
- 「相手にいやな思いをさせたくない」
こんな思いで人と接することが多いと、いつしか自分を抑えて、自己を否定的に見てしまうクセがついていきます。
「一人二人に嫌われても、まだ地球には60億人の人がいる。」
うろおぼえですが、
佐賀のがばいばあちゃんの言葉だそうです。
「一人に嫌われたからといって、全ての人に嫌われているわけではない」です。
こんな風に考えるといいですね。↓
- 10人の人がいるとして、そのうちの1人からはどうしても嫌われます。
- 7人はどちらかというと、あなたに好意を持ってくれています。
- 2人は、どちらともない、あなた次第で、好きにも嫌いにもなる可能性があります。
- 全ての人に好かれるのは無理ですが、全ての人に嫌われることもまた難しいですね。
嫌われることを恐れないことで、自由な感情表現ができ、窮屈な心と体の状態を解放してくれます。
人からの評価よりも、ご自分が何を求めているのか、何を伝えたいのか、そこに焦点を当てることが必要です。
「人も自分も大切に」