広島心理教育研究所 メンタルヘルス相談室Cachette代表・臨床心理士の小村緩岳です。
自己否定に完璧主義。
これらは「行動」を抑制し、気がついたら仕事や生活に支障をきたす、「認知の歪み」です。
そして、「認知の歪み」がもたらす「思考」は、「不快な気分」をもたらします。
認知と感情は密接につながりがあるのです。
つまり、「認知(思考)-感情-行動」は、お互いに関連しあっているのです。
したがって、そのうちのどれかにアプローチすることで、その効き目を全体に波及させることができます。
何となく人は、まず「考え方」があって、次に「感情」があって、そして最後に「行動」がある、という時系列で考えがちです。
これは一面では確かなのですが、近年の心理学の研究では、むしろ、「行動」を時系列の初めにもってくることの重要性が指摘されています。
ここは循環論にもなりますが、考え方を変えても、それが定着するためには行動が必要ですし、行動が変われば考え方が速やかに変わる、ということもごく普通にあります。
なので、対処の時には一旦、時系列を忘れ、
- 「簡単なところ」
- 「今、まさに必要なところ」
からアプローチすることが大切です。
ケース・バイ・ケースではありますが、何もわざわざ「難しいところ」から始める必要はない、ということです。
そして、大抵の場合、思考や感情より、行動にアプローチする方が、容易です。
ジャスト・イン・タイムで行動的な対処をやっていくことが、結果的に自己肯定感を育てることにもなります。
それでも、どうしても「思考の歪み」が頭をもたげるなら、そのときが対処の時かもしれません。
今日もお読みいただきありがとうございました。
「自分も人も大切に」