なにか考えが煮詰まり、前進も後退も出来ない時というのは辛いものです。
同じ考えが頭の中をグルグルと駆け巡り、いつまで考えても結論は出ません。思考の悪循環ですね。その状態があまりに長く続くと、心理的に疲弊し、やがて心のエネルギーが奪われていってしまいます。
そういう時こそ、考えの視点を変え、なにかアクションを起こすことがそのグルグル思考から解放される道となります。
もっとも、考えの視点を変えることもアクションを起こすことも実際、難しいものですが。
カウンセラーのブログでありながら、セルフケアの視点の記事が多かったため今まで(そういえば)書いていませんでしたが、こうした行き詰まりのときこそ、「相談」が役立ちます。
「書くこと」の有効性については最近書きましたが、相談を行って、人からの意見を聞くことは、自分の思考に「楔」を打ち込む最高の方法と言えるでしょう。
ただ、当然ながら、相談する人を選ぶ必要があります。
家族、友人、先輩・・・そして、第三者的に客観視して話を聞いてくれる存在としてカウンセラーもいいでしょう。
誰か身近な人が話を聴いてくれるということは、ストレスを減らすためにとても効果的であることが知られています。
もっとも、相談によってその問題が必ずしも「解決」するわけではないです。問題はそのままあり続けますが、これまで聞いたことのなかった視点からの意見が聞けたり、示唆が得られたりすることで、思いもかけなかった方向に考えが転回していくこともあります。
悩みはある意味「思い込み」ですから、思い込みに囚われて「グルグル思考」が続いている時には、思い切って素直に人に相談することは大切ですね。
ただ、視点の異なる意見は時として「耳が痛い」ものですし、できればそれは避けたいもので、「自分が思う通りのことを言ってくれそうな人」ばかりを相談相手に選ぶと、ぐるぐる思考に楔を打ち込むという意味はあまりないでしょう。
むしろ、少し厳しいことを言ってくれそうな人だったり、自分と価値観が異なるだろう人の意見を聞くことが役に立ちます。
そして、何を言われても、それを真摯に受け止めようとする気持ちもいるでしょう。
ある意味、相談とは「身を切る」行為でもあります。グルグル状態を脱し、前進するためには、「痛み」を受け入れる覚悟も必要なのかもしれません。