広島心理教育研究所 メンタルヘルス相談室Cachette代表・臨床心理士の小村緩岳です。
いつでしたか、テレビを何の気なしにつけると、辺見マリさんが「洗脳」されて、お金を5億くらいだまし取られた、という番組をやっていました。
細かいことは省きますが、「洗脳」とは、要するに、人工的に「思い込み」を人に作り出すことです。
そして、いったん「思い込んで」しまうと、それが「思い込み」だとは気づかないのです。
だから、周囲の人がいくら説得しても、「私は洗脳などされていない!」と思うのです。
(逆に、説得すればするほど、その思いが強固になることもあります。)
思い込みとは、かくも強いものなのですね。
思い込みから脱するには、徐々にでもいいので、自らが気づいていくしかないのです。
気づいてみると、「なんでそんなことを思い込んでいたのだろう?」と、拍子抜けするくらいのことなのですね。
辺見さんの場合、洗脳から抜け出すことができたのは、「社会とのつながり」でした。
視点を変え、様々な見方をする中で、思い込みが徐々に解けていったのですね。
思いは、「習慣」の産物です。
洗脳された状態の「習慣」がその状態(思い込み)を維持するのです。
それが崩れると、次第に思いも崩れていきます。
うつにみられる「思い込み(心のつぶやき)」も結局は同じことで、思い込みによる習慣が、その思いを維持していますす。
ならばするべきは、その「習慣崩し」です。
ほかならぬあなたが、
- いつものように考えて、
- いつものように感じて、
- いつものように行動する
から、問題が維持されているのなら、「いつものように」を変えてみましょう。
取り組みやすいのは「行動」です。
そうすると、こころとからだは「活性化」します。
活性化すると、それに伴い、考え方や感じ方が変わります。
それが習慣を崩すポイント、うつの軽快や、人生のブラッシュアップにつながります。
【小村からのご提案】
毎日の行動の記録をつけて、そのパターンを少しだけ、変えてみましょう。
↑これは少し手間なので、
例えば、
- お風呂に入った時に、洗う場所の順番を変えてみましょう。
- いつもとは違う向きに座ってみましょう。
そんな小さなことでいいです。
少しだけ、こころとからだに「ショック」を与えて生活を活性化してみましょう。
今日もお読みいただきありがとうございました。
「自分も人も大切に」