広島心理教育研究所 メンタルヘルス相談室Cachette
代表・臨床心理士の小村緩岳です。
ご存知でしょうか?
気分は結局「選択」の問題です。
なぜなら、気分は「思考」に影響されるからです。
思考は「選択」することができます。
複数ある思考のレパートリーの中から、どれを選ぶか、選びたいのか、実は、そういうシンプルな問題なのです。
したがって、悲しみが止まらない人は、悲しみつづける思考を選択しているということですし、怒りが収まらない人は、怒りつづけるという思考を選択しているということです。
誤解のないように申しますと、それが悪いということではありません。
ただ、不快な気分の背景には、その不快な思考を維持させる、心が作り出した「カスタマイズ思考」があるのです。
ただ,そのカスタマイズ思考は、知らず知らずのうちに作られているので、自分がそんな思考を持っているということには、ついぞ気づきません。
本来,カスタマイズするのはそれによって何らかの「いい効果」を得ようとする意味がありますが,我々の脳には,悪い効果が得られるカスタマイズを勝手に行ってしまうことがあるようです。
そこで、常に,自分のデフォルトを参照することができれば,悪い方向へのカスタマイズを初期設定に戻し,いい方向へのカスタマイズ,つまり,思考と気分をコントロールすることができます。
とかくカスタマイズ思考は、自分を追い詰める発想になりがちです。だから、苦しいのですね。どこか、追い詰めすぎていないか、そこをとにかくチェックしてみましょう。
(この場合のデフォルトとは考えを白紙に戻す,頭をいったん空っぽにする,という意味で使っています。)
落ち込んだ気分でいるとき、悲しい気分の時、怒っているとき、不安なとき、うらやんでいるとき、
・・・
本当に選びたい気分はどれですか?
・・・
場合によっては、落ち込んだ気分を、「選んでいる」ときがあります。また、「悲しい気分」を選んでいるときがあります。
不思議なもので、人は心のバランスをとるために、あえて不快な気分を選ぶことがあるのです。
お気づきだと思いますが、それは、結局「思考」を選んでいることと同義です。
つらく苦しいとき、つらく苦しい気分になるような思考を選んでいるのです。
でも、それが本当に選びたい気分や思考ですか?
・・・
たぶん、違うのではないでしょうか?
もっと快い気分、もっと楽な気分を、選びたいはずです。
あなたの思考をいったんデフォルトに戻し,ご自分に最適な思考を選び取りましょう。
小村緩岳
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おまけ
今日もお読みいただきありがとうございました。
「自分も人も大切に」
(デフォルトモードを促すには,マインドフルネスが役に立ちます。)