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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

子どもの問題=夫婦の問題?

子育て,大変ですよね。

子育てとは自分育て,でもあり,夫婦関係の熟成ともいえるかもしれません。

そう考えると,子どもの問題の多くは親の側の姿勢によるといえるかもしれません。

一般に、子どもへの関心の低さ、基本的受容の低さは、子どもと親の関係を不安定にして様々な問題を起こすとされています。

また、夫婦間の教育、しつけへの方針の不一致も強く影響しているようです。

学校でよく出会う不登校の子どもにも、かなり、こうした親の養育態度が色濃く影響しているように見受けられる例も多く見られます。

親の無関心、受容の程度の低さは、子どもが必要とする親の注目が満足に受けられないため、それを得ようとする本能的な行動(注目獲得行動)として、不登校や非行といった問題行動として噴出しやすいようです。

親に注目されることは,ある意味,生物の生存戦略として真っ当なことと言えますね。

また、夫婦間の意見・方針の不一致は、自分を守るべき存在であるはずの両親が反目していることで、子どもは何を判断基準にして行動してよいのかわからず、混乱を生じさせてしまい、問題をますます複雑にしていくことがあります。

それを解決するためには、親が養育の態度を改めることが先決でしょう。

可能なら,夫婦間で意見を一致させ、お互いに満足のいく態度で子どもに接することが出来れば、それだけで子どもは安定してくることが期待できます。

もし夫婦間に意見の不一致があるのなら,胸襟を開いて話し合うことも必要ですよね。

ただ,夫婦間の事情にもいろいろあり,簡単には歩み寄れないということもあるでしょう。お互いに持っているプライド(意地?)か何かが影響しているせいもあるでしょう。

結局,配偶者にしても,子どもにしても,人(相手)を変えることは難しいのでしょうから,まずは自分を変える,という大きめの決断が必要かもしれません。

そこで自分に,次のように問うてみましょう。

  • 「子どもによい変化を起こさせるために、今まさに役に立つことは?」
  • 「子どものこれからと私(親)のプライドと、どちらが大切なんだろう?」

決して、親として自分を責める必要はありません。

親も当然、子どもを愛し、その行く末には期待を持って接してきているはずでしょう。なにも、子どもに問題を起こさせようと思って育てている親はいないのです。しかし、現実に何らかの問題が起こってしまっている場合は、次のように考えると動きやすくなるかもしれません。

まずは,「配偶者にしても子供にしても,自分とは異なる存在」ということですね。

配偶者や子どもは「家族」というくくりになり,物理的に心理的にも距離が近くなりがちです。

そうすると,お互いに過剰ともいえる「期待」をしてしまい,要求が大きくなりすぎたり,コミュニケーションが省略されてしまって,結果としてすれ違いが増えてきてしまいます。

そこで,いったん,「家族でも結局は<自分と他者>」」という視点で見てみると,家族に対しては「他者にはしないことをしている」または「他者にはしていることをしていない」,ということに気が付くかもしれません。

本来,家族の方を他者より大切にしているつもり(はず)なのに,実際には,家族の方に対しては「うまくやるためのエネルギー」を節約している,という矛盾があることに気づければ,おのずと改善の手立てが分かるでしょう。

改善の手立ての一歩として,まずは

「これから、子どもにとって、また、夫婦、家族全体が良くなるために、今すぐできる一番小さいことを探してみる。」

というのはどうでしょう。

これは必ずしも「家族のために時間やお金を使う」,ということではなく,自分の気持ちを切り替えるために,「まずは自分の気晴らしをする」ということも含まれます。

今までの子育てや夫婦関係が悪かったといくら自責の念を持っても、それだけでは何も変わらないでしょう。自責にさいなまれるあまり、むしろ悪くなってしまうかもしれません。

過去を省みることは必要ですが、それは必要最小限にとどめ、むしろ、「これから」のことを考える思考法が役に立ちそうです。

オープンな態度で話し合い、家族で一致した方針の下で改善への行動をすれば、時間はかかっても必ず良い方向へと事態は変わっていくことが期待できます。

思考も行動も,コミュニケーションの方法も,多彩な選択肢があることを心にとどめておけると,親子関係,夫婦関係などにも多様なアプローチをとっていけるのではないでしょうか。

お読みいただきありがとうございました。

あなたのお宝が見つかりますように。