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人は見たいものしか見ていない~考え方を変える考え方

サングラスをかけたら景色が暗く見えます。

青い眼鏡をかけたら青く、赤い眼鏡をかけたら赤く見えると思います。

色つきの眼鏡をかけることによって、光成分が選択的に目で受容されているわけです。

あるいは、「逆さめがね」というものがありまして、レンズに細工が施してあり、かけると天地が逆に見える、という眼鏡です。

最近はテレビやゲームでも「3D」が話題ですが、これも、3D用の映像に対して専用の眼鏡をかけます。

このように、工夫された眼鏡をかけることによって、人間は様々な視覚体験をすることができます。

実は、これと同じようなことが、「考え(認知)」にも同じように起こります。

人の認知は、いわば「心の眼鏡」によって大きく影響を受けるものです。「心の眼鏡」とは比ゆ的な言い方ですが、「それを通して物事をとらえる心の持ちよう」とでもいえばよいでしょうか。

別の表現では「信念」という言い方もできるかもしれません。

とにかく、人にはそうした信念というか、「頑なな思い込み」が発達の結果として形成されており、それに基づいて、外界からの刺激を受け取り、その信念にのっとった思考、感情、そして行動を生じさせると考えられています。

人の物事の感じ方、考え方が人それぞれなのは、その「心の眼鏡」が一人ひとり異なっているからですね。

認知行動療法では、心に悩みを持つ人は、自らを苦しめるような心の眼鏡をかけていると考えます。

いうなれば、自分に対して否定的な信号のみが透過してくるような眼鏡をかけているということです。

そうすると、客観的な刺激としては、肯定的な信号や中立的な信号も含まれているはずなのに、否定的な心の眼鏡によって、それらの信号がカットされてしまい、否定的な信号のみをとらえてしまうことになります。

そうした眼鏡を通して得られた情報によって思考や感情が生じることになるので、必然的にそれらもネガティブなものになってしまい、行動も同様にネガティブなものにならざるを得ない、ということになります。

ネガティブな行動は、自分のネガティブな思考・感情を確認することにつながるため、その認知と行動パターンがますます強められ、持続すると考えられます。

ということは、このネガティブな認知・行動パターンから脱するためには、その「心の眼鏡」を外すか、色を変えてみればよいということになります。

しかし、「心の眼鏡」は意外と強力なものであり、3D眼鏡のようにすぐに掛けたり外したりできるものではないのが難しいところですね。

ただ、考え方として、いろいろな色のメガネを複数持っていて、自分の意志で自由にかけかえられるものだ、という気持ちを持つことは大切です。色々なパターンを試してみることが改善につながります。

今日もお読みいただきありがとうございました。

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