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カウンセリングオフィス広島心理教育研究所

インナーチャイルドに認知行動療法との接点を見た

スピリチュアル系のカウンセリングでよく使われる概念に、インナーチャイルドがあります。

訳すと「内なる子ども」です。

大人の心の中にある、「抑圧された感情」を比ゆ的に表現したものです。

このインナーチャイルドを、私がいくつかのホームページを参考にさせてもらって理解したものを簡単にご説明すると、

「子どもの頃に親や周囲の大人から、自分の欲求を否定されたり、妨げられるという体験によって、欲求や自然な感情を抑え込んでいくことを学習してしまい、それが大人になってからも、思考や行動の際の基準(基本パターン)になってしまうこと。」

これって、認知行動療法でいうところの、「スキーマ」のことに他ならないように思います。

スキーマとは、人が物事を考える時の基本的な枠組みになるものです。

例えば、自己否定的なスキーマを持っていると、「自分はダメだ」というように否定的に思い込んでしまって、「どうせ自分は何をやってもダメだから」というような「自己認知」を持ってしまうということです。

そうしますと当然、自信もなくなりますし、物事の先行きをネガティブに予想してしまって、物事に対して消極的になって、気分が落ち込んでいったり不安が強くなったりするという状態になってしまいます。

認知行動療法の、認知の側面では、このスキーマとそれに付随する思考を中心的な課題として扱っていくことになります。

その時に、「スキーマ」という概念を色々な角度からご説明していって、それがご自分の幼少期の体験から学習されたものであって、現在の自分の考え方に影響していることに気づいて行ってもらうということをしていくのですが、「スキーマ」というのは前述のように非常に根源的な自己否定的な概念なので、クライエントさんによっては非常にそれと向き合うことにしんどい思いをされる方もおられます。

そんなときに、スキーマを「インナーチャイルド」という、イメージ化しやすい対象として説明することが出来たら、とても扱いやすくなるのでは、と考えています。

近年の第三世代の認知行動療法では、思考をイメージ化して考えるテクニックも使われるようになってきていますが、そこには、スピリチュアルの世界との共通点がたくさんあるように見受けられます。

ただ、認知行動療法はその背景に実証された心理学の裏付けをどうしても求めますので、すんなりとはつながらないかもしれませんが、両者をハイブリッドでクライエントさんのニーズに応じて用いていくことは、支援の上で有効な方法になることが予想されます。

スピリチュアル系のインナーチャイルドの解釈も、発達心理学的な人のパーソナリティの成り立ちの説明と基本的には重なりますので、理屈としては共通の基盤になるといえると思います。

ただ、インナーチャイルドはいわゆる「オカルト(秘教)」の延長にあるようで、どうしても現代科学とは一線を画す概念であることも事実ですが。

私は昔、シュタイナーに興味を持って、シュタイナーの人智学を(少しですが)勉強した影響で、オカルトで用いられる言葉も少しわかりますが、人の心の中はいまだに「ブラックボックス」なので、説明の際の言葉や理論背景の違いはあるものの、扱っているものは結局同じなのではないかなぁ、と感じています。

クライエントさんの心を扱わせてもらうにあたって、いくら科学的、を標榜しても、スキーマに接近すればするほど、その悩みの深みには、非科学的な何か、を使う必要を感じることが多いです。

私の好きな言葉の一つですが、

「名医という言葉がある限り、医学は科学ではない」

を思い出しました。

「名カウンセラーという言葉がある限り、心理学は科学ではない。」

というところでしょうか。

(そもそも心理学は科学といえるのか?というツッコミは置いておいてですね^^;)

科学と非科学を認め、そして両者を統合していくことが、クライエントさんへのより良い支援になることを感じる今日この頃です。

正当な心理学による唯一の治療法「認知行動療法」を実践していく中で得た、スピリチュアルとの接点について考察しました。

実はスピリチュアルも大好きなので、また書きたいと思います。

今日もお読みいただきありがとうございました。

あなたのお宝が見つかりますように。

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